伍拾肆 ページ6
「うらくーん」
う「んー？」
手を伸ばせば触れられる距離にいるのに、触れられる関係じゃない。自分でも分かるほどもどかしくて、なんでもない、たわいもないセリフを吐く度に胸が苦しい。
「私さぁ、うらくんに報告があるんだけど」
う「報告？いいけどそろそろ中入んね？」
「いえ、迎えが来るので手短に。……うらくん」
う「なに？」
こんな時でさえ暖かな目をする。優しげな声をする。
その顔が、その声が、その行動ひとつが、私を苦しめる。
「私ね、うらくんに感謝してるんだ」
う「えっ？ なに急に」
「だって最高の人達と巡り合わせてくれたから。ほんと、出会えてよかった」
う「俺もAと会えてよかったって思ってるよ」
「ほんと？嬉しいなぁ。でね？…だから、うらくんには一番に言いたかったんだよね」
う「なにを？」
「私ね？」
最後だから、笑え。笑うんだ。とびっきりの笑顔で。
ここに必要なのはそれだけだから。
「私、恋人ができたよ！」
う「は？……えっと、今の流れでどう繋がるんだよ」
「うらくんがいなかったら出会わなかったかもしれない人だから」
う「どういう………」
志「A〜」
う「志麻くん…？」
志「やっほー、うらたさん」
う「なんでここに………」
「志麻さん、いつも無茶してる私に声掛けてくれてて。志麻さんといる時は私も無理に笑わないっていうか、素直になれるっていうか……。何となく似てるから気を使わないっていうか。とにかく、この人となら恋愛できるって思ったんです」
う「………」
「びっくりした？」
う「……びっくりした。そっか、志麻くんと…」
「うん、だからうらくん家に行ったりすることも少なくなると思う。まだ友達でいてくれるなら、現場で会った時は話しかけてもいいかな？」
う「そ、れはもちろん。Aが誰と付き合っても俺たちは友達だよ」
「よかったぁ……そう言ってくれて安心したよ。『志麻くんはやらん！』って言われるのも覚悟だったんだけどw」
う「俺はオカンかw おめでとう……で、合ってる？」
「あははっ、ありがと！」
う「じゃあこれからデートか？」
「うん。バレンタインだし、せっかくだから」
う「そっか」
「うん。じゃ、またねうらくん！ほんとにありがと！」
う「どういたしまして。……って前見て歩かないと……」
「おわっ！」
コケそうになった私に向かってうらくん思わず手を伸ばす。
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
