捌拾参 ページ35
う「………なに？なんだったの」
「下を向いてみてください」
う「………え、…ネックレス？」
「そういえば誕生日あげたことなかったなぁーって思って。ハッピーバースデ〜」
う「遅すぎない？それ今年の？それとも去年の？」
「んー、どっちも？誕生日はメンバーと過ごすんだろうから、早めにってことで」
う「………これ、クラブのトランプチャームじゃん。しかもバレンタイン限定の」
「むっかーし、知り合ってまもない頃に『欲しい』って言ってたから」
う「よく覚えたな……」
覚えているよ。あなたが言ったことならなんでも。
う「でもこれめちゃくちゃ高いやつだろ？たしかプレミアついてたし、貰えねぇよ」
「私が買った時にはプレミアついてなかったんですよ。まあ、今までの誕生日分を一気にってことで。お世話になった分とかも含めて」
う「………お世話って」
「誕プレはプライスレスっていうじゃないですか〜。気に入らなかったら捨ててくれればいいですし」
う「捨てるわけないじゃん……ありがとう……」
「どういたしまして」
う「うわまじか。嬉しすぎる。もう、やばい。Aちょーすきかも」
「ちょろすぎでしょw じゃあ、また！」
あの頃と同じ笑顔で、同じトーンで。うらくんに手を降ってすぐに後ろを振り向いた。
う「ほんとありがとな！がんばれよ、座長！」
「……うん！」
左手を上げて軽く振ってそのまま歩いた。今なにか言えばきっと止められないと思ったから。塞き止めていたセリフも、気持ちも、涙でさえも。
あなたはずるいよ。とても、とても……いつまでも心を離さない。
距離を置いても、時間が経っても、声を聞くだけであの頃の気持ちに戻される。忘れたいのに、志麻さんを好きになりたいのに。どうしても思い出してしまう。
あなたの優しい声を、ひとつひとつが綺麗な仕草を、私に真っ直ぐ向けてくる瞳を、私はいつまでも忘れられないでいる。
あの時渡すはずだったプレゼント。あの時聞きたかったはずのセリフ。あの時求めていた彼の体温と香り。
大丈夫、これで後悔なんてないはずだ。きっと、もうだいじょうぶ。
駅前の銀杏並木がスポットライトに照らされている。秋ももう終わりだ。わざと落ち葉を踏み帰路に着いた。
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
