漆拾玖 ページ31
私が見えなかった世界を、見れなかった景色を、見ようとしなかった壁を越えて、貴方たちはきっと、誰も行けなかったところまで、何千、何万って人を連れていける。
「見せてくださいよ、快進撃」
私こそ貪欲で、強欲で、欲張りで、自分勝手で、理想を押し付けることしか出来ない。せめて私ができるのは、願うことだけ。
志「しゃーないなぁ」
「はい、しょうがないですよね」
志「……ほんと、しゃーない……っ…」
「えぇ、しょうがないですよ」
震える手を伸ばして、志麻さんの頭を撫でる。指の間からこぼれる髪。メガネの奥で流れる雫。まとう空気が変わる。
志「ごめん、気合い入ったわ」
う「おかえり」
セ「やっとですか」
志「うん、お待たせしました！」
あぁ、いい笑顔で笑いやがるなぁ。
志「なぁ、メンバー」
う「ん？」
セ「どないしました？」
坂「なあに？まーしぃ」
志「愛しちゅうよ」
ニカッと笑っていう志麻さん。ようやく調子が戻ってきたみたいだ。
う「俺もだよ」
セ「センラもや」
坂「オレもー！」
恥ずかしげもなくそう言える関係が羨ましい。彼らにはきらきらした笑顔が本当に良く似合う。
3人が席を立ち玄関に向かう。私も少しだけ話して、軽く次の出かける予定をたて、ゆくっくりと立ち上がった。
「じゃあ、私も帰るね」
志「え、泊まっていかんの？」
「いきません。私明日早いし。それよりちゃんと寝てくださいよ。クマやばいですから」
志「え、まじ？」
「まじまじ。じゃ、またね」
志「まって。……ん」
「なんですか？」
志「はぐみー」
「さんざんうらくんとセンラくんにしてもらったんでしょ？」
志「別モンや別モン。やっぱ女の子の柔肌じゃないとだめ」
「何がやっぱなんですか……。はぁ……」
ふわりと香るしつこくない香水の匂い。私の肩に腰を曲げて顔を埋める志麻さんの背中をポンポンと叩くと、志麻さんはゆっくり体を起こした。
志「ありがとな」
「どういたしまして」
彼の水分を含んだ頬を撫でた。
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
