照れてらっしゃる ページ18
増「オレ、割とクラスでもムードメーカーって言うか、結構馬鹿やって笑ってもらう担当の人間だったんだ」
「うん、ぽいね」
増「だけど失敗しちゃって……。一時期クラスのやつらに無視されてたりモノ隠されたり、……まあ軽くいじめ？みたいな感じの時があったんだよ」
「………へぇ」
増「それでその年の初雪が降った日。オレはカバンを隠されて中庭で探してたら、通りかかったふたりが声をかけてくれたんだ」
▪□▪□▪□▪
「どんなやつ」
増「え？」
「なんか探してんでしょ？教室から見てた」
増「あ、えっと……」
江「『おせっかいかも』ってこいつが尻込みしてたんだけど、『そろそろまた雨降り出しそう』って言ったら『早くやんなきゃ』って」
「言わなくていんだよそんなこと。……で、探してるのはなに？」
増「あ、えっと、カバンで、黒のリュックなんだけど……」
「江口はあっちよろしく。君は向こうね」
増「え、そ、そんな、手伝ってもらう訳には……」
「うるさいな。もうすぐ雪降るって言ってんじゃん。さっさとして。寒いなら私のカイロ貸したげる」
江「おれのも。ずっとポッケに入ってたからあったかいぞ〜」
増「…………あ、あり…」
「ほら早く」
増「は、はい！」
増「……これだ、これだよ！」
「そうか、よかった。雪で濡れてるけど、まあドライヤー使えばどうにかなるでしょ」
江「それより貴重品とか大丈夫なわけ？取られたりとか」
増「うん、大丈夫。全部あるよ。………ごめんね、そんな泥だらけにさせちゃって……ほんと、すみません…！！」
「………ゆるさん」
増「えぇ？！」
「お前のせいで手が霜焼けだっつうの。コーヒー奢れコーヒー」
江「おれカフェラテ」
増「………わ、わかった」
「………あと、別に君が悪いんじゃないんだし、その言葉は間違ってるんじゃない？」
増「………あ！………ありがとう！ありがとう！！！」
「うっさいうっさい。そんなに叫ばなくてもいいって」
江「………体冷えたし、カフェでも寄る？」
「私ホットケーキ食べたい」
江「子どもか」
「うるっさいなぁ。コーヒーも飲めないお子様に言われたくないわこの唐変木め」
江「照れてらっしゃる」
「うるさーい」
▪□▪□▪□▪
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男性声優」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん！いつもご覧くださりありがとうございます！こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます！めっちゃいいです！！これからも楽しみにしてます！(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななき。 | 作成日時：2019年11月27日 16時
