三月のクローバーコレクト【声優】【学園モノ】

ちょろいな ページ9

「なるほど。で、何するの？」

沙「大掃除です」

「え？なんて」

沙「大掃除です」

「ごめん、聞こえなかった、もう一回……」

沙「おーそーじ、です！」




どうやら聞き間違いではないようだ。




沙「生徒会企画でクラブハウスのボランティア清掃をしようかと。タダでとは言いませんよ。最終日の夜はBBQと花火もやっちゃいます。海が近いので遊べますよ！一週間です！」

「………私たちが行くメリットは？」

江「おい、さらっとおれを混ぜるな……」

沙「先輩、『部活で合宿したい』って言ってたじゃないですか！」

「そんなこと言ってな……」





『今年は合宿したいな……』

沙『合宿ですか？』

『去年は私ひとりだったから別によかったけど、今年はあの子が入ってくれたから。なにか思い出になるようなことが出来たらなって』

沙『………合宿、ですか……』

『まあ、弱小部にはそもそも部屋がないんだけどさ』





「言ってたわ」

江「言ってたのかよ」

沙「はい、言ってました！まわりを森と海で囲まれてるからやりやすいですよ！ね？」

「………いや、でも、しかし………」

沙「食費、参加費は、こちらで持たせて頂きます！」

「参加しましょう」

江「現金なヤツ……」

沙「やったぁ！じゃあ日程が決まりましたら改めてご連絡しますね！Aせんぱい、江口せんぱい、よろしくお願いします！ではまた！」




さっそうと立ち去る沙織を見送り、食後のプリンを食べる。




江「どうすんだよ、おれも行くことになっちゃったじゃねえか」

「可愛い後輩の頼みは断れないでしょ。合宿したかったし」

江「おれ、バイト入れる予定だったんだけど……」

「考えてみろ、一週間分食費が浮くんだよ？一人暮らしのお前にはいい話じゃないか」

江「………可愛い後輩の頼みなら、しょうがねえな」




ちょろいな。現金なヤツめ。

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