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はかなげな少年 ページ29

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すうっと小さく息を吸い、意を決して扉を叩く。中から「どうぞ」と声が聞こえてゆっくりと金色のドアノブを押した。




斉「あ!A先輩!!」

「あぁぁ、あぁ、いいからいいから、寝てて」




体起こそうとした壮馬を寝かせる。思ったよりも顔色は良くなっているようだ。




斉「A先輩、来てくれたんですね!」

「ぁ、うん。櫻井先生から入出許可が出たから。……どう?体調の方は」

斉「めちゃくちゃ元気です!今すぐにでも外に出たいくらいですよ」

「そっか……、よかった」

斉「……A先輩が、助けてくれたんですよね」

「いや、私は何も……」

斉「覚えてますよ。何度も何度も僕の名前を呼んでくれて……。ちゃんと聞こえてました」

「………そうか。……あ、じゃあキスのことも……」

斉「え、きす…?」




………しまった。良平先輩がキスとかいうからそのまま言ってしまった。知らないうちにそんなことされたら普通やだよなぁ。




「や、別に、なんでもない」

斉「え?なんのことですか?気になります!A先輩?!」

「いいからいいから。夜のためにしっかり寝てな」

斉「……夜?」

「今夜、ペルセウス座流星群、見るんでしょ」

斉「…!……はい!」




満面の微笑みで答えてくれた壮馬。とりあえず断られなくてよかった。




「じゃあ、また夜、……迎えに来るね」

斉「はい、まってます!」




小さく手を振り、部屋を出て扉に背中をあずける。




(ほんとによかった……。今夜は、最高の夜にしよう……)




可愛い後輩に、あまたある天体の、星たちの物語を話してあげよう。私があの人にしてもらったように…。

星と星を繋ぎながら→←昼下がりのソーダアイス



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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます!これからも気長にお付き合い下さい! (2019年10月20日 13時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 新作おめでとうございます!応援してます!(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年10月19日 21時

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