受験生のくせに ページ3
「………気楽なもんですね、受験生のくせに」
良「前にも言ったけど、俺は推薦だからもう指定校決まってるし、ヒマなの」
「だったらクラスに戻って友情でも育んだらどうです?高校の友は一生だって言ってましたよ、うちの担任が」
一瞬ピタッと良平先輩の動きが止まり、またニコッと微笑んだ。
良「やだよ、超ピリッピリしてんだもん。どうせ邪魔だって追い出されるだけ」
「……先輩、ハブられてるんじゃないですか?」
良「ひどいなぁ〜、俺ってば結構人気者なんだよ?」
「うわ、それ自分で言うの普通にイタいですよ」
良「君だってそうだろ?『美人でクールで男女問わず告白される、高嶺の花月さん』」
「……私も先輩の通り名知ってますよ。その名も『後輩の昼寝を毎回邪魔する猫っかぶりのナルシスト先輩』」
良「やな言い方だなぁ。邪魔じゃなくて監視だし、人によってペルソナを使い分けるのは当たり前。まず自分を好きになれないと他人も好きになれないしね?」
「俺の事そんなこと思ってたの?」と不満げに口を曲げている先輩を無視して、窓を占め部屋を出ていく。
良「またね〜」
ギシギシと軋む階段を降りる途中、足を止める。上を見てもついてきている気配はない。まだサボる気なんだろう。
次こそは来ない。そう思いながらいつも居心地いいのあそこに行ってしまう。あの人がいなければ最高の昼寝スポットだし。あの人がいなければ………。
「……はぁ………」
またため息を着き、真っ白で綺麗な校舎に向かうため、足を前に出した。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます!これからも気長にお付き合い下さい! (2019年10月20日 13時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます!応援してます!(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年10月19日 21時