�将将�.Doll ページ30
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嫌いなものが多い子供だった。
にんじんが嫌い。納豆が嫌い。公園が嫌い。麺類が嫌い。駅前のおばさんが嫌い。ショッピングモールが嫌い。手を繋ぐ人が嫌い。家が嫌い。
ひんやりと冷たい、熱のない家。
家族ではない人間の気配がある家。
時計の針と自分の心臓の音が重なるのがたまらなく嫌で、気持ち悪くなるくらい大きな音で誤魔化した。
『今日は帰ってくる？』
『明日は？』
『誕生日には帰ってくるかな？』
毎回同じ答えなのに、懲りずに聞いた。
『昨日はごめんね？もう大丈夫だからあそぼ？』
『そっか、じゃあ私も混ざっていい？』
『あ、ごめん、私テレビとか見なくて……』
毎回自分たちとは合わないって切り捨てられる。
さまざまな音。さまざまな声。全部に耳を塞いだ。
どうせ連れてってくれないのだから。
きっとその輪には入れないのだから。
聞きたくない。知りたくない。
そう叫んでも、誰も助けてはくれなかったよね。
もう気を引くためのわがままも言わなくなったよ。天然で、素直で、嘘みたいないい子であろうとしたんだよ？
もっと、もっとなにもかも上手くやれてたら、何人もおもり役の家族が家にくることはなかったかな。
人が離れていくこともなかったかな。
ここまでクラスで浮かずにいたかもしれないね。
目を閉じて、口をつぐんで、逃げれば逃げるほど、音は大きくなってゆく。
陰口も、うわさ話も、誰かの悪口も、耳をつんざくような声も、嘘で塗り固められたトーンも、ぜんぶぜんぶ嫌い。
聞きたくないのに、知りたくないのに、かってに飛び込んでくる声と音。
防げる手段が分からなくて、聞こえないふりをして笑っていた。
それを諦めたら、きっと私は何も考えずに生きられたんだろう。
でも、諦めきれなかった。まだどこかで期待していた。
ツキやクロみたいな子が現れるんじゃないかって。
『それでもそばにいるよ』って言ってくれるんじゃないかって。
最後だから、これで終わりだからと、すがって、頼って、押し付けて、願った。
気づいていましたか？分かっていましたか？
それとも知らないふりをしてくれていましたか？
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ななき。(プロフ) - Noel*26さん» 見つけてくれてありがとうございます！！タイトルについては後で解説？するつもりですwこれからもよろしくです！ (2020年1月21日 21時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - ちょっと待って好き過ぎる。高評価お気に入り登録失礼します、更新頑張ってください（ ＾ω＾）（和訳タイトルが運命の年の少女だと思った私を殴りたい） (2020年1月21日 0時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年12月29日 17時
