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〈19〉現場で ページ19

お店に着けば、おばちゃんが喜んで駆け寄ってきた。


「太宰さん、Aちゃん!二人が来てくれるなんて嬉しいねぇ。本当に困っててねぇ・・・。」


案内された奥の酒置き場に行けば、割られている瓶。


割られている瓶は、それはもう瓶だったかすら分からない程に粉々になっている。


割られていない瓶もあるけれど。


『何時からこんな酷いことが?』


「2、3ヵ月くらいかね。折角Aちゃんが常連さんになってくれたってのに、こんなこと頼んで悪いねぇ。」


『そんなこと気にしないで下さい。いつも美味しいもの、ありがとうございます。』


笑ってくれる優しいおばちゃん。


「他は今のところ小さい傷くらいで済んでいるんだけどね。」


『それも立派な犯罪ですよ。』


「悪いねぇ。何かあれば声かけとくれ。」


仕込みがあるおばちゃんは酒置き場をあとにした。


太宰さんを見れば酒をじっと見回して、溜め息を吐いていた。


「Aちゃん、一番最近ここに来た時に飲んだものは何かな?」


『いきなりなんですか。』


「いいから。」


私の方は見ずに聞いてくるということは何か考えているのだろうか。


『2日前にウイスキー、麦焼酎、梅酒・・・あとは・・・』


「相変わらず飲むねぇ。というか、誘ってよ。」


『それで、私の飲んだものと何か関係が?』


指を指された方にあるのは割れた酒たち。


「割れていないものは?」


ウイスキーと麦焼酎。


『私も飲んでますよ?』


私が飲んでいるものが割れてるなら聞かれた意味は分かるけど。


そうではなさそう。


「非常に言いにくいのだけどね、嫉妬だろうね。」


『はい?』


紙を渡された。


それを開いてポケットに入れる。


「今日はどうやって愛を伝えようかなー。ねー、私のAちゃん?」


『伝えなくていいです。』


「またまたー照れちゃって可愛いんだからー。私の彼女は照れ屋さんだね。」


『か・・・っ!・・・止めてください。』


「うふひ、可愛いいねー。」



ガタガタっ


奥から物音がした。

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月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» バタバタしていただけたなんて・・・さらに幸せな作品なんて言って下さり、感激の涙が止まりません!ありがとうございました!次回作もぜひ、よろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月15日 20時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 最後まで胸がキュンキュンしました!←ベットの上でクッション持ってバタバタするぐらいです(笑)更新お疲れ様でした!最高の作品が見れて幸せです(*^ω^*)次回作も楽しみにしています! (2017年10月15日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» コメントありがとうございます!そんな嬉しいことを言って頂けるなんて・・・がんばれます!楽しみにしていただけるなんて・・・(T_T)これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月9日 19時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 新しく更新された作品を見るのが毎日の楽しみです!最後まで更新頑張って下さい!応援しています(*^▽^*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - 味の素さん» 嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月1日 21時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年9月24日 10時

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