#17 ページ17
「痛っ………」
赤い物体、これが恐らく鬼なのだろう
鬼が私の肩から尖った歯を抜いた。
pe「Aちゃん！！！！」
肩から血が噴き出すのが感じ取れる
しんぺいくんが私を優しく抱き上げて走り出した
pe「なんだよアレ………」
「しんぺいくん…」
pe「大丈夫だよAちゃん、君は俺が守る」
しんぺいくんがそう言って柔らかい笑顔を私に向けてくれた。
だがこの世界ではそんな優しい話は無いらしく、しんぺいくんと私はあの赤い鬼に追い詰められてしまった
「行き止まり…」
pe「こんな狭いところに閉じ込めるなんて卑怯だろ」
しんぺいくんが低い声でそう威嚇したけれど、赤い鬼にはなんの効果もなかったようで不気味に口角を上げて笑った
pe「来るな…くそっ」
しんぺいくんが、私を壁に寄りかかるように降ろして、着ていた学ランをそっとかけてくれた。
「しんぺいくん！！！」
pe「大丈夫だよ、目を瞑って待っていて」
優しい声でそう囁いたしんぺいくんに向けて鬼が牙を見せ、不気味に笑った
いつの間に近くに来ていたのか、鬼の鋭く光っている歯がしんぺいくんの腕に深く突き刺さり、赤くて綺麗な液体がしんぺいくんの体から大量に垂れていくのをこの瞳が捉えた。
pe「Aちゃ…大丈夫、俺が…」
痛みに耐えるしんぺいくんの声と辛そうに揺らいだ瞳が私を縛った
目を閉じられない。
そんな私を嘲笑うかのように、鬼はしんぺいくんの腕を食い散らかしていた。
綺麗なしんぺいくんの声が痛みを訴えてひめいをあげている
聞きたくない。
整ったしんぺいくんの顔が痛みと辛さで歪んでいく。
見たくない。
私を抱き抱えた腕がもがれ、赤に染まりそして鬼の口の中へと入っていく。
私の為に走ってくれたあの足も、鬼が奪い去っていく。
辞めて、見たくない、辞めて
pe「ごめ………俺、Aちゃ………ん」
肩からすーっと流れていく血なんか気にならない程、この光景に恐怖し、涙が止まらなかった
「しんぺ、く」
pe「A…逃げ、て」
しんぺいくんを助けなきゃ、そう思っているのに、鬼が怖くて立ち上がれない。
鬼の登場の終わりを告げるモノであろうチャイムが鳴った時、もう既にしんぺいくんの体はそこに無かった。
鬼の姿もしんぺいくんの姿もそこにはなくて、目の前に広がっているのは真っ赤な血溜まりと肉片のような物だけだった。
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ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ泣いてしまった…続き楽しみにしてます！！！ (2020年1月23日 15時) (
レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続き楽しみにしてます！頑張ってください！（ﾆｲｻﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ ﾍﾟｼﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ） (2020年1月5日 22時) (レス) id: b5fe133414 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ - 心臓が..ヤバイ泣く(ぺ神と兄さんが..) (2019年12月17日 23時) (レス) id: 7543d7e2fc (このIDを非表示/違反報告)
Ri - 初コメ失礼します 呪鬼パロ…いいっすね!好きです。アアアアアアアアア、神様ああああああ(最推しの神が死んだ時のうち)おもろい!頑張って下さい！ (2019年10月12日 23時) (レス) id: 8c5a8988a8 (このIDを非表示/違反報告)
まうるもち - 初コメ失礼します。面白くて続きが気になってつい、何度も覗いてしまいます〜(ぺ神ﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ) (2019年10月7日 22時) (レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月雛
| 作成日時：2019年9月8日 14時
