【鬼滅の刃】鬼殺隊・隊士個人調査書 肆【短編集】

醜い欲望*リク【短編】 ページ31

Aさん=『』
宇髄の継子、宇髄大好きっ子

宇髄=天「」
現・音柱、Aの事が大大大好き


宇髄邸
私は気分が悪いです。


原因は私のお師様、宇髄天元様。


私は自分の師匠である、天元様に片想いです。


天元様にはお嫁さんが三人もいて、三人ともお綺麗な人達なのです。


そんなお師様から延々と聞かされるのは、お嫁さんの自慢話。


天「それも須磨がな〜…」


お茶を飲んでる私の横で、子供の様に自分の事の様に嬉しそうに話すのです。


私の気持ちもしらないで…


自分の手に持つ茶器に入ってる、深い緑色をしたお茶に映る自分を見つめる。


よく見れば涙が溢れそうだ。


醜い欲と言う名の綺麗な透明な涙が目に溜まってる。


それでもお師様の話が耳に入る度に、溢れそうになる涙。


ポチャンと音をたてて、一滴の涙がお茶に混ざる。


私の心のドロドロを混ぜるように、水面が揺れる。


その音を聞き逃す事もなく、お師様は此方を見る。


天「どうした？って、お前…」


泣いてるじゃねぇか、と言い終わる前にお師様に軽い口づけをする。


いっそ、伝えて終わらせてしまおう。


『お師様のこと、お慕いしておりました。私がもっと早くに産まれていれば…貴女の隣で笑いあっていたかったです…』


涙を流したまま、微笑んで言い立ち去る。


これで良かったんだ…

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