15話 ページ16
sideA
麻で作った衣服を着てる。
｢白龍様！おかえりなさいませ！｣
A『……』
無視して1番奥の神殿のような作りの建物に入る。
その建物の1番奥に水が張ってある。
ヘビ爺｢待てぃ。｣
一瞬、クルーウェル先生の｢ステイ！｣と重なった。
ヘビ爺｢薬を投薬するから待っとれ。｣
変化を解いて水の張った水槽のような場所に入る。
A『寝る。』
ヘビ爺｢おやすみ。｣
リオ｢ゆっくり休めよ。｣
水の中で眠れるのも竜人族の特徴。
というか、水の中で寝るのが安全だから。
｢龍爺様！白龍様が帰ってきたって本当！？｣
ヘビ爺｢あぁ、けれど疲れているからお休みになられておる。静かにせえよ。｣
｢はい！｣
｢リオ様、白龍様への貢ぎ物は…｣
リオ｢今はちっと早いのう。｣
｢畏まりました。｣
｢リオ様と龍爺様が神殿の門番とか、白龍様って…｣
｢白龍様はお耳が良い。口を慎め。｣
うるさい。
｢白龍様ぐらいだわ。リオ様にも龍爺様にも敬語を使わないのは…｣
｢白龍様にはお二人共頭が上がらないのよ。｣
｢当たり前でしょ！白龍様が竜人族の1番お偉い方なのは決まり事なんだから。｣
うるさい。
｢リオ様以外に龍爺様をヘビなんて言えるのは白龍様ぐらいだもの。｣
A『…うるさい。』
リオ｢子守唄でも歌ってやるか？｣
爺の魔法は歌。
竪琴で弾いた音に歌を乗せる。
A『……』
眠くなってきた。
リオ｢♪〜｣
爺は歌いながら私を撫でる。
A『……』
寝る。
sideリオ
誰も見えない場所まで潜ったところで眠る。
ヘビ爺｢寝たか？｣
リオ｢ええ。ようやく。｣
ヘビ爺｢こんなにボロボロになるぐらいまでになりおって……｣
綺麗な真珠のような色の鱗が水面に浮く。
ヘビ爺｢もう少し回復したら食わせよう。｣
リオ｢はい。｣
白く生まれただけ。
白く生まれただけで彼女には背負わなければならない役目が多すぎた。
1つ1つ、鱗を掬い上げる。
ヘビ爺｢皆の衆！白龍が帰ってきた！宴の準備に取り掛かれぇ！｣
リオ｢……｣
男、女、子ども、関係ない。
全員、白龍が我が郷から出る事を嫌う。
リオ｢……代われるものなら代わってやりたい…｣
異世界に飛ばしたのに戻ってきてしまう。
白い龍として生まれたら最後、自由はない。
だから…異世界に行かせたのに。
ヘビ爺｢……運命というのは変わらんものよ。｣
リオ｢……齢17の小さな子を壊してしまう運命とはなんですか…｣
ヘビ爺｢…｣
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莉奈 - 初めまして、この作品を気に入っており更新を楽しみにしております。ペテン師様のペースで更新頑張ってください (2020年4月6日 19時) (
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年3月30日 9時
