Welcome to villans world!!

スカート ページ9

放課後、黙って食堂にやってきた私は愕然とした。

「…いないじゃん‼」
「あいつ…逃げやがったんだゾ‼」
「well well。あの子は成績を下げられたいのかな。」
「いや、大方忘れてんだろ」
「リドルに言って首をはねてもらわなきゃね‼」

ジャック怖い。
てか、首はねる役の人かわいそうだよ。

「探しに行こうか…。」

教室まだ来てもいない。
流石に逃げたと思っていいだろう。

「誰か、お探しかい⁇」
「ギャッ…絵が喋った⁉」
「絵が喋んのは当然だろ。ここの学園じゃ珍しいことじゃねぇ。」

嘘ぉ…。

「して、汝、何を聴きに来たのかえ？」
「なんか日本絵も話し出した。」

日本絵もあるのか…。

「エース・トラッポラ、ハートのフェイスペイントの男の子なのだけれど何か知っているかい？」
「あぁ、その童ならば寮の扉に行ったぞい。」
「そうなんだ‼ありがとう‼」

それを聞いて彼らがどう動くかなんて言うまでもない。

「「「さぁ、追いかけようか。」」」

怖い。
その満面の笑みが怖い。

「こっ、怖いんだゾ…。」
「分かるよ。怖いよなっ⁈」
「喋ってないで行くよ‼Aちゃん‼」
「だ、だからといってお姫様抱っこすることないですよね⁈」
「まぁまぁ、そうかっかしないの‼赤くて良いのは薔薇と女王様の顔だけだよ♪」

いや、イケメンの顔が至近距離にありすぎて辛い。そしてグリムはエイトフットに首根っこ掴まれてて苦しそう。

何人とすれ違っただろうか。
制服がスカートの私にとってこれは地獄なのである。

「おい、スカート気をつけろよ？」
「分かってますよ‼」
「ここ男子校だからねー。獣がうじゃうじゃいるし。」
「スカーのところに至っては元が動物だからね。」
「危ねぇから気をつけろよ。女はお前しかいないんだからな。」

ミニスカじゃなくて本当によかった。
学園期待の若手デザイナーであるすずめくんが寮服をデザインしてくれたのだが、まだ実物ができていないらしい。それはロングにしてくれたのでもうこれから私はそれで通おうと思う。

「オラァ、エース‼待ちやがれェ‼」
「おわっ、エイトフット先生だっ‼」
「美しい私ィを無視するとは良い度胸じゃないか。」
「一応僕寮監なんだけど…。ま、いいや。Aちゃん、ちょっと風に気をつけてね。」

え？

寮の扉、と言っていたところには鏡しかない。
ここからどうやって入るのだろう…。

「おいしょっ‼」
「待てッ‼」
「行っくよぉぉ‼」

△服→←イメ画

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す