【wrwrd】割れたコップ【短編集】 (ページ2)

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浮気：tn ページ2

「なに？これ」

「ゲーセンで取ってきた」

「そうゆうことじゃなくて」

手首から聞こえるじゃらじゃらとした音

ヤンデレ小説に必ず出るといっても過言ではない、手錠が私の腕にかかっていた

手錠といってもたかがおもちゃ。頑張れば壊れるほど脆い物なんだろうが、力のない私にはどうすることもできない

外すには私に手錠をかけたトントンに助けを願うしかないのだ

「ねえ、此れとってよ」
「やだ」

「即答ですか。なんか、怒ってる？」

最近トントンに怒られるような悪戯をしかけた覚えもないし、さっきまで怒ってなかった気もする

わざとにも近いため息を一つ溢したトントンは怪訝そうな顔を、一つ

「ホントに自覚ないわけ？」

「え、うん。え？私なんかした？」

ここまでトントンを怒らしたことは今まで一度もない。これは断言できる。悪戯を仕掛けてもあまり怒らないし、せいぜい忠告程度だったのだ

「君の、悪い癖についてです」

「え？もしかして、浮気の事？」

「それ以外ないでしょ」

「それの、何にそんな怒ってるの？今更の事じゃない」

「これ」

そういって見せてきたのは某アプリのメール画面

メンバーは我々だ全員

「どーゆうことですか」

内容は、私を抱いた感想みたいな事を言い合ってた。原因はこれだったのか

「大丈夫だよ。ちゃんとゴムしてるし、生ではトントンだけだよ」

「そうゆう問題じゃない」

「もしかして、嫉妬？可愛い事するのね」

「ふざけとるんか。」

「まさか」

「他の男とやるなって、いっとるやろ」

「癖なんだもの。仕方がないでしょう？トントンだって、家事、洗濯、掃除、仕事何もしないで家にいてって言われても、できないでしょ？それと一緒よ。それに、こんな私を好きになるなんて、トントンのほうがふざけてると思うわよ」

「なんや。俺の女にケチつけようとでも言うんか」

俺の女、なんて似合わない言葉に笑みが零れてしまう。

「そうゆうわけじゃないわよ」

そう言ってトントンの顔の目の前に手錠を突き出した

「さ、早くとって。」

「もう浮気しないって約束ができるならな。でも、まあお仕置きは必要だよな」

「え？」

連れてこられたのはベッドルーム

ベッドの足にもう一個の手錠と、私の右腕につけた。むふふな展開ならまだしも、意味が分からない。

一方のトントンはどこかへ行く準備をしている

「どこ、行くの」

「飲み会。帰ってくるまでいい子にしててな」

部屋を出ていくトントンの顔は爽やかだった。