【wrwrd】割れたコップ【短編集】 (ページ1)

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お酒：sya ページ1

かち、かち、

時計の音だけが響く部屋

何度彼にメールを送っても、既読はつかず。

「会社の飲み会があって、行ってもいい？」

なんて叱られた犬のように、申し訳そうな小声で言うから

「飲みすぎないでね」

って甘やかして言っちゃったんだよなあ

ビールを半分飲むだけででろでろに酔ってしまうことなんて、わかりきっていたのに。

時計の針は、シンデレラ姫が醜い灰かぶりへと変わる時間へ。

(まだ帰ってこないの)

相変わらずつかない既読の文字

「いつまで、飲んでるのよ」

待っているのにも飽きて、はやく、はやくって急かしてる

がちゃ

ドアの開く音

彼が帰ってきて、嬉しい気持ちをぐっと押さえて玄関まで行ってみれば、お酒のにおいがぷんぷんする私の彼氏

うぅ・・・なんて唸りながら靴を脱ぐのに苦戦してる彼の背中に、

「ずいぶん遅い帰宅ですね？」

って意地悪に呟けば、

「あぇ？A？」

ってバカっぽい声

この声のせいで、怒る気など失せてしまう。が、犬のしつけは大切だ。

だが酔ってる彼に何を言っても意味はないだろう。

靴がやっと脱げた彼は千鳥足のままこっちへきて抱きついてきた。

より一層強くなるアルコールのにおいと、洗剤のふわふわしたにおい

「んふふ～ただいまぁA」

「おかえり、しゃおさん。飲みすぎないでねって、言ったでしょ？」

「ん～？ふふっそうだっけぇ？」

「言ったよ。もう、いいから先お風呂入っちゃおう？」

「ん～・・・」

いまにも寝そうなしゃおさんを起こしつつ、いつまでも甘やかしてしまうだなんて、だめだめだなぁと思って、大きなため息を一つした

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パソコン使うとびっくりするぐらい手が冷えます。さむい。