検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:103,622 hit

誰かに似た・・・ 01(乙) ページ48

ーーーー




「かわいい〜・・・」

Aがケースの中をじっと見つめて呟いている。

視線の先にはネザーランドドワーフ。

真白くて小さいうさぎはそりゃかわいいよ。

(可愛いけどさ・・・)

「ねぇねぇA」

「ん〜なに?」


Aはこっちを見向きもしないで生返事。


ちょっとちょっと・・・
俺のこと、いつまで放ったらかしな訳?



(あー・・・)



今日はAがペットを買いたいからってことで
デートも兼ねてペットショップに来た。



「おついちさん、見て!この子、すっごくかわいい」

うさぎを抱いたAが嬉しそうにこっちを見る。

「うん、かわいい」

俺の彼女が。
うさぎのかわいさがプラスされてさらに可愛い。

「どうしようかなぁ・・・どの子にしようかな」


どうやらうさぎを買うことは決まっているらしい。

あとはどのうさぎにするか、のようだ。


うーん、と迷っているAの横から
ケースの中を覗き込んだ。


手前には元気に走り回るうさぎが1匹。
自分のにんじんを自分の足で蹴飛ばしてしまい
ビックリしている。

(・・・・・・なんか、まぬけなうさぎだな・・・)

奥の物陰にいるうさぎはずっとにんじんを
もしゃもしゃ食べている。
たまに走り回っているうさぎを
気にするように顔を上げるけど・・・。

(・・・・・・くせ者っぽいな・・・)


「あ・・・」


ふと目に止まったうさぎ。

小柄で気づかなかったけど、
ケースの前で悩んでいるAを
ずっと見つめている。


(あ、このうさぎ、いいかも)


俺は店員さんに声をかけて、
その小柄なうさぎを抱かせてもらった。

腕の中でうさぎは鼻でつんつんしながら
かわいく、ぷぅと鼻を鳴らした。


「お前、甘えてるの?結構かわいいとこあるんだね」

なんだかちょっと愛着が湧いてしまう。

「おついちさん、その子かわいいね」

俺の腕の中のうさぎに顔を近づけて
じっと見つめるA。

うさぎも同じようにAをじっと見つめて
体を伸ばしたかと思えば
鼻先をAの鼻にチョンとつけた。


「わっ、かわいいっ・・・おついちさん、
私この子にする!」


「え・・・ちょっと、決めるの早くない?!」


さっきまで悩んでいたのが嘘みたいに
あっという間に決断したA。

手続きをしている間、俺はうさぎと二人ぼっちに。


「・・・・・・お前、大人しそうに見えて
したたかだね」


俺の言葉にうさぎが小さく鼻を鳴らした。


ーーーー

共感 01(弟)→←Let's! 01(兄)



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
122人がお気に入り
設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。