【無題】06 (ページ43)

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ｰｰｰｰ

ガチャ

｢･･･？｣

突然聞こえたドアの音。

その音の方に視線を向ければ、
出かけていったはずのおついちさんが立っていた。

険しい表情を浮かべたおついちさんは
こちらにズンズンと歩み寄ってきて
私の腕を掴む。

｢わっ･･･｣

予想もしてなかった強い力で腕をひかれて
弟者くんの腕から引き剥がされた。

｢お前ら何やってんの、ほんとに｣

今まで聞いたことのない低いトーンと声色。

｢何もやってねえよ｣

｢は？｣

兄者さんの言葉におついちさんの表情が
さらに険しくなる。

｢お、おついちさん･･･私何もしてないから、
大丈夫ですから｣

険悪な雰囲気が伝わってきて慌てて
おついちさんに声を掛ける。

｢･･･そうなの？｣

私の言葉に表情を和らげたおついちさんは
兄弟に視線を移した。

｢俺、A連れて帰るから｣

それだけを言い残して
おついちさんは私の腕を掴んだまま家を出た。