Luck is with me today 01(乙) ページ35
ｰｰｰｰ
やっと取れたチケット。
意気込んでのぞんだ握手会。
｢･･････き、緊張してきた･･･｣
今日は私がずっと応援している
おついちさんの握手会。
トークショーがあって、その後が握手会。
相変わらずトークはキレキレ。
いつもは画面越しに声だけを聞いている
憧れの人が、今は目の前で話している。
それだけでも感激なのに握手なんて･･･。
｢私、爆発するんじゃないかな･･･｣
感情が昂りすぎてどうにかなりそう。
スラッとした細身の体つき。
実況の時の少し高めの声も
落ち着いたトーンの声も好き。
握手会の列に並んでいるあいだ、
周りの人の会話なんて全然耳に入ってこない。
1歩、また1歩前に進む度に
憧れの人との距離が近くなっていく。
ついに、目の前に･･････
｢あの、･･･えっと｣
やばい！
いっぱい考えた言葉が出てこない。
頭が真っ白！
どうしたらいいの？！
何言えば･･･
嬉しさと緊張で頭が真っ白になって
あたふたする私におついちさんが
笑って声をかけてくれた。
｢緊張してる？｣
｢あっ、は、はい･･･すみません｣
｢そんなに緊張しなくていいよ｣
｢！！！｣
そういっておついちさんから私の手を取ってくれた。
細い指、大きな手が私の手を包む。
｢わざわざ来てくれてありがとう。
これからもよろしくね｣
｢はいっ！ありがとうございます･･･っ｣
｢うん、じゃあまた｣
ニッコリと笑うおついちさんに手を振られて
思わず顔が熱くなるのがわかった。
その後もずっと顔が熱い気がする。
握手した手も熱い。
ずっと憧れてたおついちさんが
目の前に･･･。
｢もう一生分の運使ったかも･･･｣
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年3月12日 0時
