検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:103,624 hit

いつもの曜日、いつもの時間 01(弟) ページ33

ーーーー





「いらっしゃいませ」


あーあとちょっとでバイトの時間終わるな。

今日も働いたなー俺。



コンビニって案外大変。
レジだけじゃなくて清掃とかフライヤーの管理とか
コーヒーメーカー洗ったり・・・


大変だけど実は楽しみなことがひとつある。


「いらっしゃいませー」

あ、来た!



火曜日、いつもこのくらいの時間に
決まって買い物に来る女の子。


多分同じくらいの歳、だと思う。


最初は可愛いって思って顔覚えてたけど
毎週火曜日のこの時間帯に来るから
すっかり印象づいてしまった。


しかも・・・


「お願いします」

「いらっしゃいませ」


カウンターに置かれたヨーグルトと
グリーンスムージー。

これがお気に入りなのか決まってこの2つを
買っていくもんだから
今では在庫が薄くなるとソワソワしてしまう。


「ありがとうございました!」

ヨーグルトとスムージーを入れた袋を渡せば
女の子は小さくお辞儀をして店を出て行った。



「弟者くん、君ってばわかりやすいよねぇ」

「え?」

横でニヤニヤと笑うのは先輩のおついちさん。

「さっきの子、毎週火曜日に来る子でしょ?
可愛いよね」

「あ、まぁ・・・そうですね」

「声掛けちゃえばいいじゃん、気になってんでしょ?」

いやいやいやいや!

「変でしょ、声掛けちゃ!」

「そうかなぁ、俺は綺麗なお姉さんいたら
声かけるよ?」

「はぁ、・・・おついちさんのそういうとこ、
ちょっと見習えないっすわ」

無理無理、声かけるなんて。
ビックリさせちゃうだろ。

おついちさんはヘラヘラ笑ってるけど
俺はそこまでフランクに声掛けれないし。







・・・・・・・・・やばい・・・。

おついちさんに陳列を頼まれた
ドリンクコーナーで俺は呆然とした。

今日は火曜日。

あの子が来る日。


それなのに・・・


(スムージーがない!!!)


驚愕する俺の目が1枚のポップを捉えた。


"プライベートブランド10%オフ!"


(これか!)

そう言えばこの間の土曜日から始まったんだ。
どうりで最近スムージー売れると思ったわ!



「嘘だろ・・・」



「いらっしゃいませ〜」

おついちさんの声が響く。

それに合わせて俺も声を出しながら
スムージーのなくなった棚の商品を整える。


「あの・・・」

と、隣から控え目な声が聞こえた。

「はい」

視線を向ければそこには
毎週火曜日に来る女の子が。

02→←春を告げる花 01(兄)



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
122人がお気に入り
設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。