新しい制服に袖を通して 01(兄) ページ23
ｰｰｰｰ
届いた！
手元には郵便の袋。
袋を持ってウキウキしながら
部屋に行こうとした時お兄ちゃんとぶつかった。
｢わっ、ごめん｣
｢どうしたんだよ、そんなに急いで｣
私のお兄ちゃん、兄者さん。
背が高くて、かっこよくて、運転うまくて
ちょっと冷たそうに見えるけど
実はすっごく優しいんだ。
｢お兄ちゃん、みて！制服届いたの！｣
私は袋をお兄ちゃんの目の前に差し出す。
｢お、学校のか。
一回着てみた方がいいんじゃないか？｣
｢うん、今から着るから、
着たらお兄ちゃん見てくれる？｣
｢別にいいけど｣
そんなこと言って、実は気になってたでしょ。
部屋に戻った私は届いたばかりの制服に袖を通す。
ネイビーの制服に薄い青色のリボン。
セーラーの襟の白いラインが可愛い！
｢かわい〜｣
鏡の前でくるりと一回転。
フワッと広がるスカートも可愛い！
｢Aー｣
｢お兄ちゃん、着たよみてみて！｣
ドアの外からお兄ちゃんの声。
ドアを開けて自慢するように制服姿を見せる。
｢おっ、いいじゃん｣
部屋に入ってきたお兄ちゃんが制服をみて頷く。
｢でしょ？リボンも可愛いし･･･
ほら、スカートもプリーツで｣
そう言って裾を掴む。
｢･･････おい、A｣
｢ん？｣
その瞬間お兄ちゃんの表情が険しくなった。
｢A、そのスカート短すぎ｣
｢そうかな･･･でも校則違反じゃないよ？｣
｢いや、違反とかじゃなくて｣
もー。
｢お兄ちゃんってば心配性だね。
みんなもスカートはこれくらいだって｣
｢うーん･･･｣
それでも納得してくれそうにない。
あっそうだ！
クローゼットからスプリングコートを取り出して
制服の上に羽織る。
制服のスカートより少し長いコート。
｢お兄ちゃん！ほら、これなら大丈夫でしょ？｣
そう言って振り返るけど
お兄ちゃんの顔はますます険しくなる。
｢Aソレ、ムリだヨ、ダメ｣
突然のカタコト。
｢もうわかったってばー。
スカートの下にちゃんとショーパン履くから。
ね？｣
｢･･････まぁそれなら｣
もー･･･お兄ちゃん不機嫌にならないでよ。
｢制服可愛いって言って欲しかっただけなのに･･･｣
｢可愛いから心配なんだって｣
そう言ってお兄ちゃんは大きな手で
私の頭を優しく撫でた。
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【お花見】花緑青の春光 01(乙)→←階をあがれ 01(弟)
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年3月12日 0時
