【カクテル】Affinity 01(兄) ページ20
シリーズ→【無題】03
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『兄者さんのことが好きです。』
あの日以来、Aは前にも増して
気軽に店を訪れるようになった。
｢こんばんは｣
｢こんばんは、どうぞ｣
今日もいつもの時間にAがやってきた。
｢兄者さんこれ、差し入れ｣
Aの手にはケーキの箱。
｢どうしたんだ、それ｣
｢一緒に食べようと思って。
兄者さんのおすすめのカクテルでお願いします｣
ふふ、と小さく笑うA。
この表情が好きだ。
｢この子が例のAちゃん？｣
突然後ろから声がかかる。
｢･･････そうだけど｣
ニンマリとした表情でこちらをみる緑髪の男。
｢兄者さん、この方は･･･｣
｢あぁ、｢どうも、Aちゃん。
俺、おついちっていいます。よろしくね｣
(こいつ･･･。)
俺の言葉を遮るように自己紹介をするおっつん。
相変わらずのコミュ力。
｢おついちさん。Aです、よろしくお願いします｣
Aも律儀に挨拶しなくていいって。
｢兄者から聞いてるよ。兄者のこと、よろしく｣
そう言っておっつんは
あっさりキッチンに入っていった。
｢ふふ、楽しそうな人だね、おついちさんって｣
｢まぁ、良い奴だよ。ほんとに｣
キッチンに入っていったおっつんを
視線で追うA。
その視線に少し嫉妬してしまう。
いつからこんなに嫉妬深くなったんだ。
｢兄者さん、今日はどんなカクテルにするの？｣
｢そうだな･･･｣
少し考えて作ったカクテル。
黄金色のシロップとベルガモットが少し大人の味。
｢わぁ、綺麗な色｣
｢アフィニティっていうんだ｣
｢アフィニティ･･･いただきます｣
Aはグラスを持ってカクテルを軽く一口。
その間に差し入れのケーキをお皿に乗せて出す。
｢･･････A、その･･･このあと予定あるか？｣
｢このあと？ないよ？｣
｢じゃあ一杯付き合って｣
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年3月12日 0時
