夏の続き (ページ18) - 小説/夢小説

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episode18 ページ18

御幸

御「……ﾊｧ」

奥「最近、溜め息ばかりですね」

御「……わりぃ」

初戦がもうすぐだというのに、気持ちは沈んだまま

まぁ、野球には影響出てない…はず

ｺﾝｺﾝ

「御幸いる？」

ノックし、ひょっこり顔を出したのはナベ

御「ナベじゃん、どうした？」

渡「これ、御幸が読まなきゃいけないものだろ？」

そう言って渡されたのはAのノート

御「…さすが……だよな」

渡「うん、ほんとに驚いた」

ペラペラ捲ると、びっしりと、由良総合について書かれたページ

奥「すごいですね、これ」

奥村も目を見開いている

相手の投手の癖

打者の傾向

伝令を出す状況

コース

過去の成績

誰もが欲しがる情報の数々

御「俺、ずっとこれに助けられてたんだよな」

奥「ちゃんと見てもいいですか？」

御「おう」

奥村にノートを渡すと、珍しくキラキラした顔でノートを捲っていく

奥「これ…有名監督の言葉ですよね」

御「あぁ、それな」

表紙裏に大きく書かれた言葉

《花じゃない花を咲かせる土になれ》

御「それは、Aが目指した姿だよ」

野球を諦め

マネージャーの道を選んだあいつが

その覚悟を決めた言葉

そしてそれを形にしたのがそのノートだった

渡「御幸…Aは変わってないよ」

「Aは、どんな関係になっても…自分のやることは一つだけだって」

御「……それって」

渡「御幸を天才捕手にすること…それだけだよ」

御「ｯ……あいつ…」

あいつに何があって俺に別れを告げたのかわからない

けど、あいつがまだ、俺のためと思ってくれてるなら

連れてってやろう

どれだけ距離が離れても

隣にいなくても

俺がやらなきゃいけないことも、変わらない