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情報戦 ページ4

「……あの、いい加減本題に入りませんか?」

「ん?もう一杯淹れてくれるのか?」

目の前で座っている赤井はとぼけたように言った。というのも、彼は話をするという条件でリビングに行ったはいいものの、コーヒーが飲みたいと言い出したのだ。
そして飲み始めてから一向に話が進まなくて、挙句にこの様子だ。本当、人をなんだと思ってるんだよ。

「……飲みたきゃ自分で淹れてください。まず、なんで貴方が生きているのか、教えてもらいましょうか。お仲間さんも知らなかったみたいですが。」

「俺がその質問に答える必要はないだろう?それとも、また坊やに聞いてみるか?」

どうやら、彼はこれについて言うつもりはないらしい。さっきコーヒーを淹れた時も同じような質問をしたけど、はぐらかされたし。
というか、彼は私が新ちゃんを問い詰めたことも知ってる……?

「うーん……。なんのことでしょう?」

私がとぼけると、彼は楽しそうに笑った。なんか、全て見透かした上で嘲笑っているように見えるのは気のせいだろうか……。

「フッ、まあいい。まずは獅童の件について聞かせて貰おうか。」

「……貴方に教えられるようなことはありませんよ。あ、強いて言えば、上司に貴方の存在はバレましたけど。」

「ホォー、俺との約束を破ったのか。」

赤井は、またどこか楽しそうな目で私を見てきた。てっきり、少しくらい慌ててくれると思ったのに、これじゃあ弱みにもならないじゃないか。むしろ、この男に何かされるかもしれない状況になってしまったし。

「し、仕方ないじゃないですか!縛られてた跡がくっきり残ってて、それに気づかれたんですから、……って、なんでずっと笑っているんですか!」

「ククッ、……いや、あの日のことを思い出したのでな。つい。」

あの日、というのはおそらく私がこの男に助けられた日のこと。でもあの日に面白いことがあった記憶は全くないし、私にしてみれば、死にかけた上に、風見さんや降谷さんに疑われないような筋の通った嘘を考えなければならなかったから、むしろ嫌な日なんだが。

「全く答えになってないですけど……。」

「フッ……、君は前と変わらず、おてんば娘だと思っただけだ。」

……凄くバカにされてる気がして腹は立った。だけど、きっと私の心を開いてボロを出させるのが目的だろうから、とどうにか苛立ちを鎮めた。でも、子供扱いは本当にいただけない。

赤井の要求→←嫌な予感



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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (4月27日 22時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いて (2021年11月11日 19時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
焼きプリン - とても面白くて今日一気見しました!!!続きがとても気になります!楽しみにしてます。頑張ってください! (2021年3月25日 20時) (レス) id: ecb566eb91 (このIDを非表示/違反報告)
す だ(プロフ) - 頑張ってください!たのしみにしてます (2020年7月14日 2時) (レス) id: ebbf33f874 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - 花束さん» ありがとうございます!そう言っていただけると励みになります!頑張ります! (2020年4月24日 12時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月乃 | 作成日時:2019年10月6日 18時

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