女からの忠告 ページ30
・・・
「ありがとうございましたー!……はぁ。」
「Aさん?……もしかして疲れてる?」
降谷さんから連絡がなくなって数週間経ち、どことなくやるせない気持ちでいた。最近は無意識にポアロでもため息が出てしまっていたようで、梓ちゃんもよく心配をしてくれた。
「大丈夫!今日終わったらゆっくり休むよー。」
そう言って誤魔化し、梓ちゃんに疑いの目を向けられるのも最近の日課となっていた。
そんな時、カランとベルが鳴り私たちの談笑は強制的に切られた。お客さんが来たからといえばそうなのだが、彼女の美しい姿に目を奪われたからというのが正しいだろう。
「いらっしゃいませ!……外国の方か。梓ちゃん行く?」
すると、梓ちゃんはブンブンと首を振って
「いやいやいや!Aさんの方が英語得意でしょう!!」
「あはは……、やっぱりそうなるよね。」
私は渋々その女性のオーダーを取りに行った。というのも、彼女の纏う雰囲気がどこか恐ろしいものだったから。なぜかはわからないけど、その人と関わってはいけない気がした。
とはいえ仕事を放棄するわけにもいかず、それなりに接客はした。やっぱりその人は日本語が喋れないようで、梓ちゃんには代わってもらえなかった。
「"お会計いいかしら?"」
食事が終わったらしき彼女から声をかけられ、レジで会計を済ます。やっと終わった、あの緊張感から解放される。そう思った矢先……
「……忠告しておくわ。今までの生活を続けたいなら、これ以上バーボンには、……ここで働いている彼には関わらないことね。」
ぐっと距離を縮められ、耳元でそう言われた。背筋が凍るような、まるで蛇に睨まれた蛙の様な状態。
私が驚きで固まっているのを横目に彼女は行ってしまった。
彼女はバーボン、と言った。となると、十中八九降谷さんが潜入している組織に関わっている人物となる。……まさか、私の正体まで?
頭で考えるよりも先に体が動いた。このままだと降谷さんにまで迷惑をかけてしまう、せめて彼女がどこまで気づいているのかだけでも知りたかった。
幸い、そう遠くには行っていなかったのですぐに追いつくことが出来た。
「あら?まだ何か?」
「……さっきの言葉、どういう意味ですか?今のままって……」
すると、彼女は人差し指を私の口元にあて、諭すように微笑んだ。
「A secret makes a woman woman…」
端的に言えば、これ以上関わるなということだ。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (4月27日 22時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いて (2021年11月11日 19時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
焼きプリン - とても面白くて今日一気見しました!!!続きがとても気になります!楽しみにしてます。頑張ってください! (2021年3月25日 20時) (レス) id: ecb566eb91 (このIDを非表示/違反報告)
す だ(プロフ) - 頑張ってください!たのしみにしてます (2020年7月14日 2時) (レス) id: ebbf33f874 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - 花束さん» ありがとうございます!そう言っていただけると励みになります!頑張ります! (2020年4月24日 12時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月乃 | 作成日時:2019年10月6日 18時