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【あほの坂田。】キスして。(後編)/おりうら ページ12

「...あ、そーや。」

しばらく沈黙が続いた後、千羅がようやく口を開いた。

「なに?」

私が言ったと同時に千羅は私を押し倒し、

「俺にすればええやん。」

と妖艶な笑みを見せた。

「...は?」

「俺実は、昔からAのこと好きやってん。坂田にとられたんは悔しかったけど。」

「ちょ、どういうこと。」

「坂田なんもしてきいひんってことは、好きちゃうんちゃう?」

構わず話を続ける千羅。

「はぁ? そんな訳ないし!」

「でも、絶対なんて言えんやろ?」

「うっ...。」

「ほーら。」

図星だ。

そんなこと考えたこと無かった。

坂田くん...。

いやいやそんなはずない。

毎日私の名前を呼んでくれるんだから。

「でも。」

「ん?」

更に顔を近づけてくる。

そんなことしなくても聞こえるでしょ。

「それでも、私は坂田くんの事が好きだから。」

「...。」

突然千羅は黙った。

「え、なに。」

そう言った瞬間だった。

「A!!」

聞き覚えのある声。

毎日私を呼んでくれるあの声。

「坂田、くん。」

私の愛する人。

「お、やっと来たか〜。」

「...千羅ぁ! 僕のAになにしとんのや!!」

いつもの陽気さはなかった。

例えるなら、犬から狼になった。という感じだ。

「あはは〜。」

それに対してヘラヘラと笑っている千羅。

「A。」

急に名前を呼ばれたこと。いつもより低い声のトーンで言われたことに少し怖さを覚えた。

だが、そんな怖さはすぐ消えた。

私を抱きしめ、そのまま唇を奪う。

その姿はまるで獣のようだった。

「!?」

いつもはあんなにヘタレなのに、何で急に...。

少ししてから唇同士は離れ、

「頑張ろうと思っても『嫌って思われたらどうしよう』とか考えちゃったら身体が動かなくて..。ずっと待たせちゃってごめんね。」

言ってることはカッコイイんだけどな...。

しゅんとした顔が少し可愛いと思ってしまった。

「...坂田くんらしいね。」

「そ、そー?」

「うん。私いつでも待ってるから。」

そう言ってニコッと微笑むと、

「うん! これからは毎日いくから覚悟しといてや!」

「えぇ!?」

「当たり前やん! 毎日キスするからな!!」

ニコッと微笑んでくれた。

「...うん!」






「ふふ、作戦成功やな。」

千羅がそう言いながら空気になっていたことは2人とも知らない。

【うらた】エピローグにはまだ早い/星結→←【あほの坂田。】キスして。(前編)/おりうら



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キリカ@低浮上なうです(プロフ) - コラボ最高でした〜!いつも読ませて頂いている作者様揃いで、完璧に私得でした(笑)執筆お疲れ様です! (2018年9月20日 17時) (レス) id: 83003a603d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seyu/  
作成日時:2018年9月8日 19時

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