ep.10.5 ページ12
("中、はいんねーの")
("体育館の中暑いじゃん無理無理、俺耐えられない")
そんな理由で日陰から様子を伺っていたら、いつのまにか決着がついていた。勝者は楓士雄……鬼邪高だ。
「…どうした、その傷」
『お前もな。吊るされてたじゃん、地上に。大丈夫なの歩いて』
「それなりに」
思ったより大丈夫そうな司の姿を見て、酷く安心した。抵抗ができない状態で色々とやられたんだと大体の想像は着く。だからこそ、地に足をつけられているその姿を見てやっと安心ができた。
『心配した。お前が拉致られたって聞いて、おれ、なんで今動けないんだって。鬼邪高の奴らもやられてたし』
「轟と楓士雄に色々聞いた。…A。ありがとな、色々と」
『んーん。友達の危機だからね。助け合いは必要でしょ』
「因みになんだけど、後ろの小田島……なんだ?」
『え!?』
気配すら感じなかったとびっくりして振り返ったら、有剣のサングラスが視界に入りきらないくらいに広がった。や、やめてよ!怖いじゃん!バカ!
「つかさ、元気そ〜じゃん?良かった良かった」
『ちょっと有剣、怖いから急に後ろ立たないでよ』
「なんで?」
『目!目が笑ってない!』
あ、これもしかして…あれですか?
「小田島。んな顔しなくても、俺は盗らねぇって」
「うん。知ってる上で絡んでんの」
やっぱり、あれですか。全く、いつもどこでスイッチ入れてるんだよ有剣。相変わらず有剣のスイッチの入りどころがわかんないわ。
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作者名:飽き性 | 作成日時:2022年9月30日 1時