ツンデレな彼女を口説きたいpart2

ツンデレその55 ページ7

「おい、来里...少しはゆっくり歩けって」


俺は、来里の早歩きに何とかついて行く。

そうこうしているうちに、学校は見えてきた。


「何だよ、そんなに急がないでいいだろ？」


全然まだ遅刻じゃないだろ。

下駄箱に着くと、まだ殆どの靴が入ってない。

ていうか、俺ら以外誰も来ていない。

それが分かると、なぜか来里はガッツポーズを取る。


「来里？」

「な、何でもないわよ！」

「いや、じゃあさっきのガッツポーズ何だよ」

「うるさい。そんな事してない」


間違いなくしてただろ。俺は、この目でしっかり見た。

教室に着くと、当然誰も居なかった。

誰も居ない教室は、朝日が当たってて、新鮮だった。


「うちの教室、朝こんなに綺麗なのか」

「ね？ 早く来て良かったでしょ？」


ほんのり頬を赤くさせながら言う来里。


「あぁ」


俺は、しばらく窓の方を見ていた。

だが、


「颯真...」


後ろから来里が、か細い声で呼んでくる。


「ん、どうした？ 来里」


振り返ると、来里が俯いたまま立っていた。


「あんたと...」

「あんたと？」


来里がキュッと目を瞑った時だった...


「神崎君、おはよ〜。あっ、龍之寺さんも居たんだ。小さいから分かんなかったわ」


教室に城ヶ崎の声が響いた。

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