ツンデレな彼女を口説きたいpart2

ツンデレその75 ページ27

「いいって言ってんのに...」


俺は、さっき来里が出て行ったばかりのドアを見つめながら言う。

何だかんだ優しい所は、ほんっと昔から変わってないよなぁ。

ベッドに寝転がったまま、熱でボーッとした頭で何となく昔の事を思い出す。

あの時、唯一俺に声をかけてくれた。

蹴られそうになった俺をアイツが庇ってくれた。

いじめっ子にも腹が立ったけど、何より自分の弱さに腹が立った。

あんな小さな女の子に守られてどうするんだよって...

昔の記憶を辿っていた時だった。勢いよくドアが開いたかと思うと、来里が水を持ってきた。


「はい、水と薬。これ飲んでさっさと治しなさいよね」


来里は、手の平にカプセルの様なものを二粒乗せて、水と一緒に俺の方に差し出す。

仕方ないから、有り難く受け取るか...

俺はカプセルと水を受け取ると、水と一緒にカプセルを一気に飲み干した。


「じゃ、お休み」


俺が寝ようとした時だった。


「颯真」


またも、来里が名前を呼んでくる。


「まだ何かあるのか？」

「...あのさ、私とあんたって昔会った事あるよね？」


その言葉で俺は、思わず目を開けてしまう。


「あの時の男の子って、やっぱり颯真なんだよね」

「お前がそう思うなら、そうなんじゃねぇの？」


何か、素直に「うん」とは言えなかった。

昔の自分は今よりほんっと、カッコ悪かったしな。


「何よ、その曖昧な答え方」

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