ツンデレな彼女を口説きたいpart2

ツンデレその83 ページ35

俺の風邪も治った事だし、久しぶりに来里を連れて買い物にでも行くか...

すっからかんの冷蔵庫を見ながら、俺がそんな事を考えていた時だった。

いきなり、ズボンのポケットに入れているスマホが震え出したのだ。


「誰だ？」


俺はポケットからスマホを取り出すと、電話の主を確認する。

スマホに表示されていた名前は、同じクラスの男友達だった。

仕方ないから、渋々通話ボタンを押す。


「もしもし」

「お、颯真お前今日暇だろ？ 今、城ヶ崎ん家でカラオケやってんだけど、お前も来るよな」


周りは相当盛り上がってるみたいで、受話器越しでも騒音が聞こえてくる。

俺は、後ろでこっちをジーッと見ている来里を見ながら断ろうとした。


「いや、俺は...」

「神崎く〜ん。お電話代わりましたぁ。まさか、来ないなんて言わないわよね」


だが、そう簡単にはいかない。


「その声、城ヶ崎か？」

「そうだけど？ まさか来ないなんて言わないわよね？ いいのよ？ 龍之寺と同棲してる事みんなにバラしたって」


見ないでも分かる。

今、城ヶ崎が黒い笑みを浮かべている事が見ないでも分かる。


「わ、分かった！ 行くから」

「そう、じゃあ待っとくわね」


電話を切ると、俺はため息を吐くのだった。

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