Flowerwall (ページ14)

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#13 ページ14

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Side Yuki.

クールダウンを終わらせてやってきた花井さんは、練習着でもジャージでもなく、私服姿だった。
何が流行りなのかは分からないけど、綺麗にまとめられたコーディネート、それは俺にもわかった。

石「お洒落っすね」

「お洒落かどうかはおいといて、服好きだしね」

青学って違うのかな。練習帰りって普通ジャージで帰るとかじゃないの？
それともこの後予定があったとか。

石「この後どっか行くつもりでした？」

「あー...いや、まあそのつもりだったんだけど、キャンセルになったから大丈夫」

短く揃えられた髪を耳にかけて笑う。少し残念そうに。
ピンクゴールドのピアスが見えた。

石「そのピアス、彼氏さんからのですか」

「うん。去年のクリスマスにもらったの」

少し照れたように笑う。

石「...大切なんですね」

「彼氏にもらったらそりゃーね。石川くんは？彼女いないの？」

石「今はいないです」

「今はって！モテる奴の言い方でしょ！」

笑いながら俺の肩を叩く。
何を食べるか聞かれ、なんでもいいと答える。
「なんでもいいが一番好かん」と少し崩れた彼女の言葉に少し笑えた。

「明日、慶應と練習試合でしょ？」

石「そうです。マサさんと試合するのめちゃくちゃ久しぶり。俺たちまた大学離れてたから気合い入ってて」

...そうか、ということはついでに花井さんの彼氏もいるわけ。

適当に見つけたイタリアンの店に入った。
花井さんはマルゲリータを、俺はカルボナーラを注文した。

「南米合宿呼ばれてたよね。あれ？お土産は？」

石「それ言うならAさんも香港土産は？動画見たよ」

「あーあー、マサさんほんと馬鹿」

苦々しい顔をする彼女にあれっと思う。

石「柳田先輩呼びじゃないの？」

「ん？マサさんに、直接の先輩後輩じゃないんだからって言われて変えたの」

石「じゃあ俺も石川くんから変えてくださいよ」

「何に？」

石「祐希とか」

「それは無理、彼氏とかぶるし」

石「えー」

結局石川くんから変更してもらえず。
それでも一つ約束してもらえた。

石「明日見にきてくださいよ」

「石川くんを？彼氏じゃなくて？」

石「どっちでもいいから」

「学校も練習も休みだし、いいよ」

石「んー、やっぱどうせなら俺のこと応援して」

「それは分からないけど、参考までに動画は撮らせてもらおうかな」

石「ほんとに練習馬鹿ですね」

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