新章へ行く前に。とある妖怪のひとりごと ページ8
それは、あの倉庫での話。
彩「……………(ムスッ)」
八「何かしら彩矢。」
Aから電話で拒絶されてしまったことから何とか少し立ち直れたかと思っていたら、彩矢から不満げな視線を受けていることに気付いた。
彩「なんでAに本当のことを云わないの?」
私がAに言っていないことがあるのを知っている彩矢にとって、さっきのやりとりはイライラしたのだろう。
八「あはは……」
それに私は愛想笑いを浮かべるくらいしかできない。
彩「本当のことを云えばいいのに。そうすれば、Aは貴方をあそこまで毛嫌いすることはないし、積極的に協力してくれる。懐いてくれるかもしれない。」
私だってそうしたい。
彩「どうして本当のことを、本心を、云わないの?そうすれば、そうすればAはきっと__」
八「黙りなさい。彩矢。」
自分が思ってた以上に冷たい声がでる。彩矢の顔が強張った。
八「本当のことは言わない。言ってしまったら、あの子はきっと、罪のない自分を責めてしまう。……それだけは嫌なの。」
彩「なんで貴方は……まぁいいや。貴方がそうしたいならそうすればいいよ。私は関係ない。」
八「私は代わり。
そうやってにこりと笑うと彩矢は呆れた顔ではいはいと言った。
彩「それなら何も言わないわよ。勝手にどーぞ。」
八「はいはい。」
そう言いながら昔のことを思い出す。
?「貴方、なんで一人でいるの?」
幼さの残る顔で木陰で休んでいた私を覗き込む。
八「関係ある?あなたと?」
ムスッとした顔でそう返す私。
?「ねぇ、お友達になろう!」
最初は馬鹿らしいと思った。でも、どんどん良いことだなと思った。
八「Aは、あの子の忘れ形見だもの。」
そうやって一人ポツリと言う。
八「約束だもの。まだ、言うべきではないものね。」
そうやって一人微笑む。
八「そうでしょう?ねぇ、ハル。」
懐かしい唯一の友の名を言う。今、この世にはいないけど、忘れ形見の娘ならいる。
八「ハル、貴方との約束、ちゃんと守るから。」
そう私は微笑んだ。
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イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです更新待ってます頑張ってください!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 雨咲 水葉さん» わわっ!マジですか……急いで書いたからかなぁ……すぐ訂正しますね! (2019年8月16日 0時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲 水葉(プロフ) - 突然すみません、最新話の最後のあたりの誤字に気になってしまって....。その辺り、夢主男装してるはずなのに記載されているものは女装になってしまってますよ。 (2019年8月16日 0時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 真昼ノ夜さん» はわわっ!ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。期待にそえるよう、これからも精進していきます! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夜 - この小説めちゃくちゃ大好きです!ヘ(≧▽≦ヘ)♪これからも応援してます!! (2019年6月11日 18時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月兎 | 作成日時:2019年5月19日 17時