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｢こら。おぬしら、どこに行く｣
視線のずっと下。そこには、膨れっ面をした小さな男の子二人がいた。その容姿はどこからどう見ても瓜二つだ。非難するような2つ視線がチクチクとこちらを刺してくる。
彼ら二人はスノウとホワイトだ。北の国の魔法使いで、見ての通り双子である。
幼い容貌をしているが、実はここにいる魔法使いの中では一等に長く生きている。
可愛らしい見た目に騙されちゃいけないことを、Aはこの2人から学んだのだ。
｢役目は終えました｣
｢ミスラ。仲間が死にかけているのじゃぞ｣
｢はあ……。そうですか｣
｢気のない返事じゃ｣
｢オズより冷たい男じゃ｣
気のない返事をよこすミスラに、双子は頬を膨らませる。
そして、ふたつの目がAにちらりと向いた。
どうやらターゲットをミスラからAに変えたらしい。
｢Aもそう思うじゃろ｣
｢……ファウスト、大丈夫なの？｣
Aは心の片隅でずっと引っかかっていたことを口にする。
ファウストという男は東の魔法使いだ。
＜大いなる厄災＞にて、仲間を庇って重症を負っていた。
｢Aはいい子じゃ。ミスラとは大違いじゃのう｣
｢じゃが、ファウストもどうか…。オズの魔力が戻れば一番いいのじゃが｣
｢賢者が間に合えば、なんとかなるやもしれぬ｣
｢……｣
スノウとホワイトの言葉に、オズと呼ばれた男は眉をぴくりと動かした。
深みのある藍色の長い髪と、切れ長の赤い瞳。今この世界で最強と謳われる魔法使い。それがオズだ。
そんな彼がお手上げとなったら、誰もファウストを救うことは出来ないだろう。
Aはそっと顔を俯かせた。
｢そんな…｣
｢A、俺は役目を終えました。その後にどこへ行こうが俺の勝手ですよ｣
｢そうだけど…でも……｣
｢それとも、貴方だけここに残りますか｣
｢そ、それはやだ！｣
ミスラの言葉にAは反発する。
彼の言葉は本気だ。ここでAが我を通して頷けば、あっさりと肩から降ろされる。
それが分かっているので、Aはこの場に取り残されぬよう、必死になって彼の肩しがみついた。
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あいねこ - 最高です。キャラクターとの関係性が素敵すぎます！素敵なお話をありがとうございます。更新楽しみにしております。 (2021年4月19日 2時) (
レス) id: 650a36dc0f (このIDを非表示/違反報告)
藤李 - ぬいぐるみが主人公とは珍しいですね！とっても面白かったです！続き待ってます！o(*ﾟ∀ﾟ*)o (2020年4月14日 19時) (レス) id: b71c5bc041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星子 | 作成日時：2020年2月29日 2時
