一緒に行こうね。 ページ32
妊娠検査薬を裏返すと陽性反応が見られた。
待機をしてから僅か３分で分かるだなんて凄い。
「おめでとう、A」
「ににに妊娠しちゃった」
「嫌だった？」
「嬉しいに決まってるじゃないですか！私と福良さんのホントの赤ちゃんですよ！？」
頬を叩いて夢じゃないことを確かめている。
そんなに叩いたら赤ちゃんに振動が伝わっちゃうよ？
「とりあえず明日３時間くらい貰って一緒に産婦人科に行こう」
「えっ、福良さんが来なくても…お仕事、忙しいのに」
「だーめ。Aは休む？身体しんどくない？」
「病院に行ってちゃんと妊娠したって分かったらオフィスの皆にも自分から言いたいので明日はお仕事します」
「じゃあ、オフィスに近い産婦人科探しておくよ。だから一緒に行こうね？」
こうでもしないとAは言うこと聞いてくれないからね。
少しだけ亭主関白宣言しちゃおうかな。
翌日、いつも通り２人いやお腹の赤ちゃんを含めて３人でオフィスに行く。
何も知らない社員たちはいつもと変わらない挨拶を返してくれる。
Aは編集室へ、俺は執務室に入る。
小さな声で午後から病院予約してるから一緒に行こうねと囁く。
「ん？福良さんか、おはようございます」
「伊沢おはよう。体調どう？」
「体調？俺は別に大丈夫ですけど？」
元気そうな顔で紙パックのプロテインを飲んでいるところを見ると元気なのは確かだな。
俺は伊沢の体調まで心配しているのか。
A、仕事出来るかな？
倒れなきゃ良いけど。
.
好きなんだから。→←こんにちは赤ちゃん。*after story *
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月28日 12時
