待てないな。 ページ14
宅配完了メールが届いた。
Aさん宛にしたからきっと驚いてるだろうなぁ。
メッセージカードも同封するように仕組んだし。
ここは電話をかけるべきか…?
電話が来るのを待つべきか…?
Aさんのことだからきっと中身は確認するはず。
自分宛にきた荷物だし、変な物が入っていないかキチンと確認するはずだ。
サプライズといえば格好はつくだろう。
でもひとつ間違えたら気持ち悪い男だと思われそうだ。
軽率に買ってしまった結婚情報雑誌。
購入を促されたわけでもなく、自分の意思で買ってしまった。
この2冊の行き場もないし、俺のどうしようもない気持ちもどこに行ったら良いか分からずにいた。
「そんな顔して何考えてんの?」
さっきまでマタニティー雑誌をじっくり読んでいた河村がこちらを伺う。
てか何でそんなに熟読してんの?
「注文していたプレゼント、今配達完了したみたいなんだよね」
「あぁ、ワンピース59巻ね」
「違う、そのワンピースじゃない」
もうそのくだりはやったから。
Aさんは至って真面目だったけど。
洋服、気に入ってくれてるといいな。
電話はやめよう、直接顔を合わせて反応が見たいから。
「仕事、はかどれよ福良」
「言われなくったって」
俺は仕事を早くこなして退勤時間が来るのを楽しみにしていた。
いや、やることやったら帰っちゃおうかな。
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 12時