【QK】僕の好きな人はあいつの親友【kwmr】 (ページ46)

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冬の決心。ページ46

昨日みたいに皆の前から連れだすことはしないから。
そっとノートパソコンを閉じて帰り支度をする。

「予定通り終わったね」

「僕を誰だと思ってるんだね」

「声震えてるよ。河村でも緊張するんだね」

「何回も告白なんてしてこなかったからな」

「河村なら大丈夫だよ、ちゃんとぶつかってきな」

「ありがとな、福良。じゃあ、お疲れ様。いってきます」

執務室を後にしてAさんの方を見てみると帰る支度をしていた。
先に玄関に向かっておく。たぶんすんなり靴履けないと思うから、その間に僕のところに来て。

「河村さん、お待たせしました」

「大丈夫、そんな待ってないよ。じゃあ、場所変えようか」

オフィスで告白するような奴じゃないから。
そんなことしたら伊沢に一生ネタにされそうだから。
どこで伝えるかなんてもう決めてるんだ。

昨日歩いた道のりを歩く。二人肩を並べて。
お互い妙に緊張しているのが分かる。
Aさんの話ってなんだろう。
僕が言ってから聞いてあげるから、だから僕を最優先にして欲しい。

昨日君と見たイルミネーションの前で足を止める。
ここで伝えるって決めたんだ。
君が喜んでくれた場所だから。

「Aさん、先に僕の話聞いてくれる？」

「……はい」

周りの足音も、ストリートミュージシャンの歌声も、電車の音も何も聞こえなくなっていった。
聞こえるのは君の声だけ。

「初めて会った時から、Aさんのことがずっと好きです」

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