第51話 ページ5
知らぬ間に気温も落ち着いて、
大学の長い夏休みが終わった。
お盆はバイトに長めの休みをもらい、帰省させてもらって、
家族や地元の友達とも会ったりした。
夏休みが終わり、気づけばもう11月、
紅葉の季節。
今日は、おにぎり宮のバイトは珍しく、私と涼くんの2人。
治さんがおにぎりを握り横で私が盛り付け、
さらに涼くんがその隣でお皿を洗っている。
そんな、いつも通りの作業をしながら、
カウンター越しに座るお客さんと雑談をしていた。
客「なあ、店員さん、こっから京都ってどんくらいで行けるか知っとる？？」
「京都、ですか？うーん1時間半くらい？」
客「せや、案外近いしすぐ行けるよなぁ。
京都の紅葉ライトアップ知っとる？めちゃ綺麗らしいで。お姉さんもデートで行って来ぃや。」
「そうなんですね、でも私、彼氏いないので！」
客「ほんなら、おじちゃんが連れてったろかあ！？」
治「ウチの店員ナンパせんとってくださーい。」
ゲラゲラと笑う常連のお客さん。
こんなふうに誘われて、その度に治さんに助けられるやり取りはよくあることだった。
でもいつもと違うのはその隣に涼くんがいること。
・
治「Aちゃんも、涼くんももうあがってええでー！」
今日も何事もなく1日が終わり、締め作業をする治さんに仕事の終わりを告げられる。
治さんから賄いのおにぎりを貰い、カウンターで涼くんと並んで座り、駄弁りながら食べていると、
突然涼くんが黙った。
「どうしたの？」
涼「…あのさ、Aさんはさ、さっき彼氏いないゆーてたよね？」
「え、うん、そうだけど…」
涼「よかったらなんやけど、一緒に京都の紅葉、見に行かん…？」
さっきお客さんが言っていたことだ。
正直、京都は中学の修学旅行で行ったっきり、行ったことがないから気になる。
お客さんの話を聞いて、治さんと…なんて一瞬思った私ではあったけど、
涼くんのことは嫌いじゃないし、別に2人で出掛けても楽しいと思った。
「うん。いいよ、行こっか！」
涼「ほんま！っしゃ！
いつにしよ！今週土日どっちか空いてる？」
「土曜日なら空いてるかな。」
涼「あ、土曜昼間バイトやけど夕方から暇やわ。
ライトアップゆーてたし夜よな、土曜にしよか！」
「うん。」
ちらっと治さんを見ると、たまたまこっちを見ていたのかバッチリ目があったが、
すぐに逸らされてしまった。
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ちかな(プロフ) - とても良かったです…素晴らしいお話でした！！！よろしければ番外編も見たいのでパスワード教えていただいてもいいでしょうか？あの続きを読みたいです！！ (6月6日 11時) (
レス) id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ごま吉(プロフ) - 凄く面白いです！ですが68話のところ名前が(がないせいで変換されてないのが気になりました……！) (2021年11月10日 11時) (レス) @page25 id: 162c50cd7b (このIDを非表示/違反報告)
ayee(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです！ パスワード教えてください。お願いします！ (2021年9月4日 9時) (レス) id: 3db7910b34 (このIDを非表示/違反報告)
えるる(プロフ) - 治ぅ…幸せになってよかったです！素敵でした！番外編私も見たいのでパスワード知りたいです。。ご検討お願いします (2021年8月28日 2時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
もちーず - あの、番外編短編集のパスワードを教えて欲しいです。身勝手な願いですが、お願いします！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: abd0311f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたねんこ | 作成日時：2020年5月1日 12時
