第60話 ページ17
店にある調味料でテキパキと作るおでん。
何度も作ったことがあるし、そこまで煮込み意外には時間は取られなかった。
沸騰して一度冷ましてから、なんて細かいコツは何度も作ってるうちにつかんだ。
「あとは、味が閉まるまで煮込むだけです！」
治「早いなぁ！楽しみや！」
この時間何しようかなぁなんて考えていたら、
それに気付いたのか、治さんが声をかけてくれた。
治「今年の春の新商品考えとるんやけど手伝ってくれん？」
パッと治さんの手ものメモをみる。
春野菜がずらっと書かれ、それぞれ組み合わせたら合いそうな野菜同士が線で結ばれている。
そうしてその横には、またも合いそうな魚や肉や、味付けなどが書かれていた。
そうやって考えていたんだなぁ。
メモから伝わる治さんの努力。
こんなにたくさん案があるのに、商品にしてるのはこの中からごく一部なんだと考えると、
今おにぎり宮に出ている商品が美味しいのも納得できる。
治「この中からいくつか選んで試作作んねん。またそっからも絞るけど。
直感が1番や。Aちゃんは、これメニューやとしたら、どれ注文する？」
そう聞かれ、たけのこやらアスパラやらと書かれた一覧に目を通す。
「ごぼう豆乳クリーム…、春キャベツと海老も確かにあいそう…。たけのこ炊き込みにセロリ浅漬けもいいなぁ…。歯ごたえ良さそう…！
あ、これ…！」
どれも商品にしたらおいしそうだし売れそう。天才か。
正直迷うけど、治さんは直感って言った。
だから私はパッと目についたものを指差す。
『菜の花+くるみ 味噌』
多分これは絶対美味しい。
「私だったらこれにします。」
治「Aちゃんええ目しとるなぁ！俺もそれええと思ったってん。ありがとうな！」
「私なんかが決めたのでいいんでしょうか…！」
治「俺働いてて思っとったけど、Aちゃんの目も舌もいい線しとるで。」
そんな風に話しているうちにおでんができあがる頃。
おでんを2人前よそい、そっと並べる。
ホクホクと湯気が出て、見た感じはおいしそうにできた。
おでんだけじゃお腹空くやろと、治さんは一緒におにぎりも出してくれた。
2人、閉店後のカウンターに並んで座る。
治「うまそうやなぁ！いただきますー！」
「いただきます！」
治さんが食べる前に、急いで自分の作ったおでんを食べる。
大丈夫、美味しい。
治さんが食べるのをじっと見守る。
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ちかな(プロフ) - とても良かったです…素晴らしいお話でした！！！よろしければ番外編も見たいのでパスワード教えていただいてもいいでしょうか？あの続きを読みたいです！！ (6月6日 11時) (
レス) id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ごま吉(プロフ) - 凄く面白いです！ですが68話のところ名前が(がないせいで変換されてないのが気になりました……！) (2021年11月10日 11時) (レス) @page25 id: 162c50cd7b (このIDを非表示/違反報告)
ayee(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです！ パスワード教えてください。お願いします！ (2021年9月4日 9時) (レス) id: 3db7910b34 (このIDを非表示/違反報告)
えるる(プロフ) - 治ぅ…幸せになってよかったです！素敵でした！番外編私も見たいのでパスワード知りたいです。。ご検討お願いします (2021年8月28日 2時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
もちーず - あの、番外編短編集のパスワードを教えて欲しいです。身勝手な願いですが、お願いします！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: abd0311f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたねんこ | 作成日時：2020年5月1日 12時
