【原神】神の目を失っただけのはずだった

鍾離先生と大事な話 ページ37

ベッドが気持ちよすぎて長時間寝てしまいそうだと思ったけど、特にそのようなことはなかった。いつもと同じ時間に目が覚めた。

　夜、そのまま寝てしまったので、私は軽く体と髪を洗った。ここのシャンプーは結構いい香りがするので好き。

　私は身支度を整える。何となくアルベドから貰った髪飾りをつけた。鍾離先生が気付いて、この花に関する豆知識を教えてくれたらいいなぁなんて淡い期待を抱いて。

　そして私はそのまま旅館で朝食を摂った。朝食も美味しい。まぁその分それなりの価格なんだけど。

　朝食後、ゴレットさんに今日の部屋の状況について聞いてみた。

「ゴレットさん、今日は部屋空きそうですか?あ、あと一応部屋の鍵を返しに来ました」

　すると、

「おはようございます、Aさん。もちろん空いていますよ。いつもと同じ一番階段寄りの部屋です」

と、ゴレットさんは言った。良かった、空いてて。しかもいつもの部屋だ。

　夜の急な治療に対応できるように階段寄りの部屋に泊まっていた。今はもう関係無いかもしれないけど。

「ありがとうございます、鍵は帰って来てから受けとりますね」

　そして私は往生堂へ向かった。往生堂の入り口には、渡し守さんが立っていた。彼女は往生堂の苦労人だ。

「こんにちは、渡し守さん。鍾離先生と話をしに来ました」

　すると、

「はい、鍾離様から伺っております。中でお待ちになっています」

と言って通してくれた。中に入ると、言われた通り鍾離先生が本を読んで待っていた。どうやら胡桃は外出中のようだ。

　入ってきた私に気づくと、

「あぁ、A。待っていた。まずは部屋を移動しよう。ここで話すのは少し危ない」

　そして私達は防音機能がある部屋へ移動した。フォンテーヌから取り寄せたという盗聴の妨害をする機械が部屋のすみに置かれていた。

「まずはお前から話してくれ、A。質問があればお前の話が終わってからする」

　鍾離先生にそう言われ、私はこれまでのことをほぼすべて話した。

　セレスティアから転落し、モンドで命拾い。そしてウェンティに明かされたこと。ほぼ全てを話した。

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