彼女の答えは ページ25
その後依頼報告をし昨夜同様マイキーの部屋に足を運んだ私はゆっくりとドアを開け彼の待つ場所へと歩いていく。
「マイキー…」
「…ん？」
「…私、この仕事辞めたい」
私がそう言った瞬間彼は目を見開き無表情のままこちらへと歩み寄ってくる。
「……誰に唆された？」
「え？」
「やっぱりオマエはオレの手元に置いておくべきだった。誰かと接触してそっち側に行っちまうなら」
そんなことを言う彼は両肩を掴み押し倒そうとする。ベッドに押し倒されいつも通り服に手を入れようとする彼に私は何故か涙が溢れそうだった。
「分からないの…っ！」
「は？」
「あいってなに、？」
「私、貴方のあいが分からない」
12年振りに出る涙は酷く暖かかった。そんな私を見てさらに目を見開く彼は怯んだように顔を背ける。
「私が誰かの幸せを壊してるなら」
「もう一人だって殺したくない…っ」
私にはこの感情の名前が分からなかった。悲しくはないし楽しくもない、この複雑な感情に名前を付けるなら何になるんだろう。ただただ涙が止まらない。しばらく見たことも無い私の感情的な態度を見て固まる彼は酷く悩んでいるように見えた。
沈黙が続き彼はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「オマエを縛り付けて何処にも行かないないようにしようと思ってた」
「オレが居ないと何も出来ない奴だと思ってた」
「そうだよ私貴方が居ないと何も出来ない…」
彼に応えるようにそう訴える。
「…でもまさかオマエからそんな言葉が出るなんて思いもしなかったな」
12年振りに見る彼の笑顔は綺麗だった。綺麗で綺麗で仕方なくて私の心が揺れた。どうしようもなく恋だった。私は目の前に居る彼に縋るように抱きつくといつの日か私にしてくれたように強く強く抱き締める。
「私、貴方が好き」
始めて誰かに感情をぶつけたこの瞬間を私はきっと忘れることはない、そんな私を見てふっ、と軽く微笑んだ彼は私に軽くキスを落とし抱き締め返す。
「A…オレと一緒に死んでくれ」
私が彼の言葉に驚くことは無かった。ただただこの先も彼と一緒に居れるならなんだってよかった
彼に手を引かれ梵天のアジトを去っていく。彼といる世界はいつもより鮮やかな気がしてならなかった
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青澄＊aosumi(プロフ) - うぁぁぁぁ最後めっさ泣きました！ホント素敵な小説だと思います！これからも楽しみにしています！！！ (2021年11月29日 15時) (
レス) @page28 id: 07f147eb25 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 初めて小説で泣きました (2021年9月4日 1時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 凄くおもしろかったです！１パートで綺麗に終わっていて凄いと思います！レモンさんの作ったマイキーくんの小説、楽しみにしてますね！応援してます♪ (2021年8月7日 23時) (レス) id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ユイさん» 励みになりますありがとうございます！！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: e312b1bdb8 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 好き好き好き好き！！それしか言えない。、、、 (2021年8月4日 2時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2021年7月12日 0時
