【茅ヶ崎至】都合のいい妹【摂津万里】

都合がいい…４ ページ5

−立花いづみ視点より−


MANKAIカンパニーの総監督を引き受け、新入団員勧誘に翻弄される中、シトロン、という団員を無事獲得


できたは良いものの…


シトロン「急がば回せって言うネ！」


シトロンさんの間違った日本語によってグルグルと回せている咲也君

ふ、と綴くんの言った掲示板に目をやれば、さっき目のあったミルクティ色の髪の二人組が目に入る

容姿が似ているから、兄妹かなにかだろう、と勝手な推測をつける


回されまくった咲也くんが千鳥足でその男の人に近づいていく


いづみ「あ、あぶなっ」


私の声も虚しく、咲也君と男性は衝突


「兄さん…！大丈夫…？」


兄さん…やはり兄妹だったか…って違う！


いづみ「す、すみません！」

？？「いえ、大丈夫ですよ、お気になさらず」

うわ、ちゃんと近くで見ると凄く美形…この兄妹、凄い


いづみ「あ、あの不躾で申し訳ないんですが…物件をお探しですか？」

？？「え、えぇ…まぁ」

いづみ「あ、私MANKAIカンパニーという劇団の総監督を務めております、立花いづみと申します」

至「御丁寧にどうも、近くの会社に勤めてます、茅ヶ崎至です。こっちは妹のAです」

「茅ヶ崎Aです…」


ぺこりと控えめにお辞儀をしてくれたので、こちらも軽くお辞儀をする


いづみ「そ、それその…物件をお探しなら、こちらの寮、なんていかがでしょうか？稽古に出てもらって、公演に出ていただければ、食費と光熱費はタダで！」

至「タダ！？…部屋は一人部屋ですか？」


く、食いついてくれた！？

この後、話は円滑に進んだ…のだが


至「…A、ついてきてくれるよね？」

「兄さんが言うなら、喜んで」

いづみ「え、えっと…」

至「当然、団員扱いでなく…そうですね、僕のマネージャーとして扱ってもらえれば」

いづみ「へ、部屋は…」

至「僕と相部屋で構いません、ね？」

「構いませんし…なんなら自腹で住み込みでも、構いません」

いづみ「え、えぇ！？」


な、なんだろう…この違和感

マネージャーとして扱う？

兄に着いてく為なら自腹でも！？


この美形すぎる兄妹に少しの違和感を覚えつつ、私たちは新たな団員【シトロン】【茅ヶ崎至】を迎えることとなった…。

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