Cool Girl 2 (ページ27)

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帰れって言うわけにもいかないし
諦めて部屋着に着替えてこっそりキッチンに行くと
察してくれたのか小さい声で話す夏輝くん。

「A、着替えてきた？もうできるから待ってて」

『ありがとう。
でもリビング行ったらうるさいからここにいる。
なんか手伝うよ』

メイキングは私が来てから見よう
ってなってたらしくてMVを見てる。

「じゃあお皿用意してもらっていい？」

『はーい。夏輝くんはもう食べたの？』

「あ、俺？みんなはご飯食べてから来たらしいけど
俺ちょっと遅かったからまだだよ」

『そうなの？』

「そう。だからAと一緒に食べる」

『でもリビング行ったら
カルボナーラどころじゃなくなるね』

「たしかに。じゃあここで食べる？」

『そうする』

キッチン用のイスを2つ出して並んで座れば
自然と手を合わせて声も揃う。

「『いただきまーす』」

『おいしい！』

「ふふっ、よかった」

『夏輝くんのパスタ最高！』

「いつでも作るよ」

『でもしょっちゅう作ってもらってる気がする。
うちのキッチンも慣れたもんだよね』

「たしかに」

『おいしいし騒がしくないし
夏輝くんといると癒やされる～』

「ははっ、みんなといるのも楽しいじゃん」

『そうだけど、夏輝くんといると落ち着く。
お兄ちゃんといる時くらい楽だなぁ』

「お兄ちゃんみたいってこと？」

『うーん。なんか今はそれも違う気がする…』

「俺は妹みたいとは思ってないけどね」

『私が妹じゃ似てないよね』

「そういうことじゃなくて…」

なんて話してると…

亜「あ！A！いつの間に！
なに2人コソコソしてんの！？
え！カルボナーラいいなー！」

飲み物を取りに来た亜嵐くんに見つかる。

『みんなでご飯食べてきたんじゃないの？』

「食べてきたよ。でもうまそう！」

『みんなの分はない。
亜嵐くんはトマトでも食べてて』

「絶対無理！！！」

澤「軽くつまめるものなら作ってあるよ」

亜「まじで！？さすが澤夏～」

3人で話してるとリビングから呼ばれて

涼「MVもう終わるからメイキング見るよー」

『せっかくの癒しタイムだったのに』

夏輝くんと仕方なくリビングに行く。

大「…っ…グス…っ」

黎「え？大樹くん？」

『なに？お兄ちゃんまた泣いてんの？』

大「だって…っ」

『このMV見んの何回目よ。毎回泣くのやめて』

「「毎回泣いてんの！？」」