SOAR

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Aside





「A、ちょっと頭冷やしなよ。
慧人になんて言われた？」


『問題起こすな…』


「さっそく破ってんじゃん」


『だって！女だからとか言うから…！』


「うん、」


『そんなの…自分が1番分かってる…し…』


「そんな悲しいこと言わない」


『悔しい…』


「うん、悔しいのは分かる。
でもさ、ここにいるってことが1番の証明でしょ？」


『……それは、』


「大丈夫だよ、俺らは分かってるから。
なっちゃんもAのダンス見れば分かってくれるよ」





ダンスを見れば、分かってくれる。


たしかに。


話すよりそれのが分かりやすい。


ていうか、話しても、な気もする。


なんとなく分かってたから、なんか似てるって。


あの人だってここまでくるのに努力してきてるのに
ちっちゃいことに拘って、喧嘩売って、ダサすぎる…





『……夏輝くん、決めたわ』


「待って、何を？喧嘩はなしだよ」


『平気、ちょっと行ってくる』


「仲直りしに行くんだよね？」


『仲直り、するほど仲良くない』


「仲直りじゃないなら行かせないからな」







.







夏輝くんに免じて、堀さんのとこに行こうとしたら
前から2人が歩いてきた。



でもお互い強情っぱりで
なかなか謝ろうとしない私たちを見兼ねて


夏輝くんは私の頭を押さえて
「ほら、なんて言うの？」

翔太くんは堀さんの頭を押さえて
「何するんだっけ？」




「『ごめんなさい…』」




半ば無理矢理、頭を下げさせられた…

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