Dear Destiny ~僕が見える君と~

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食べ損ねてた、最後の一口を頬張って
コーヒーを少しずつ飲む間

お使いさんは頬杖をついて
私の行動を一つ残らず観察してるらしかった。




全然寛げない…


けど、お使いさんと喋ったら
周りの人にひとりごと言う変な人って思われるから
なにも言えなくて、誰もいないって思うことにした。



コーヒーを飲み終わったのと
『ごちそうさまでした』って
小さい声で言うのを待ってお使いさんは立ち上がる。




「行こう」


『え？どこに？』


「出会った場所」




やたらロマンチックな言い方するけど
本人に自覚はないみたいで
笑った私を不思議そうに見た。









.









そして、やっぱり着いた場所は
お使いさんと出会ったチャペルの中。


バルコニーに出られる扉の前で急に立ち止まる。




『どうしたの？』


「多分平気だから」




何が？って思ったけど
お使いさんは「行こう」って手を引いて
ゆっくり扉を開けた。



バルコニーに出ると
より一層景色はよくて開放感抜群。




「…やっぱり」



『うわー！やっぱ景色いい！』


「珍しく気が合う」


『そんなこともあるんだね。笑
でも、ここ入っていいとこなの？』


「いいよ、僕の気に入ってる場所だから」


『理由になってないけど…』


「君ならいつでも来ていい」


『ここはお使いさんの管轄ってこと？』


「管轄？まぁ、そんなとこ。
だから本当は人間は入れない場所」


『へぇ？』


「まだ疑ってるの？」


『そりゃね？私、人間だし？入れたけど』


「僕が見える君なら入れるかなって
チャレンジしてみた」


『してみたって…』


「結果的には入れたから」


『だから、多分平気って言ったんだ…
でもなんで入れてくれたの？』




純粋に疑問に思ったから
聞いてみただけだったのに…

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