Dear Destiny ~僕が見える君と~

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『なに…なんなの？』


「その格好で帰るの？」


『え？どういう意味？』




ふと視線を下に移せば雨のせいで濡れた服

慌てて鏡を出して見ると
そこに写ったのは、髪もメイクも崩れて
"THE 失恋"みたいなひどい顔をした自分。


実際失恋したんだけど…





『やばい…』


「うん、結構ね」


『ねぇ、気遣うとかオブラートに包むとかないの？』


「ないね。僕の世界では必要ないから」


『意味分かんない…』


「君の世界では必要だよね。
それに、そんな格好で街を歩くのも
君の世界ではあんまりよくないことでしょ？」


『そう…だね』




僕の世界とか君の世界とか
なんのことなのかさっぱりだったけど
"神の使いさん"は続ける。




「ちょっとこっち向いて」


『え？あ、うん』


「両手出して」


『手？はい…ねぇ、何するの？』


「内緒」




そう言ってヘラって笑って私の両手を取る。




「目閉じてて」




もう抵抗する気も起きなくて
言われるがまま目を閉じた。

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