Urt ページ9
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暇だと思い配信を始める。Aは近々友達が結婚するからとお祝いがてらご飯を食べに行った。仕事が休みだった俺はそれはもう暇で。録音も上手く進まず、特にこれといったことができない一日だった。
そろそろ良い時間帯だなと思い携帯を見てみれば、『もうすぐ帰るよ』の文字。配信している俺に気遣っての事だろう。本当に気が利く。「今日はこの辺で終わりにするか」と、いつものように配信を切ったところで玄関で鍵を開ける音がした。
「おかえり、楽しかった?」
『ただいま、凄くね。幸せそうだったよ』
「そっか、じゃあ良かったな」
既に風呂を済ませていたのでソファに腰掛けてテレビを見ていたら、風呂から上がったらしいAが隣に腰掛けて頭を肩に乗せてくる。可愛い。
「どうした?」
『んーん、..幸せだなって』
小さくそう言うAが愛おしい。
「A、愛してるよ」
そう伝えれば少し不服そうな顔をする。今までこんなことは無かったのに内心焦り、もっと他の言葉がほしいのか?なんだろう、好き?でもそれは愛してるよりライトな感じあるよな…と頭を回転させていれば、『自分から言いたかった』と唇を尖らせ小さく反論するA。
心の底から愛おしく感じた俺は、嫌と言われるほど彼女に口付けを落とした。
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mi(まい)(プロフ) - 林です。嘘です。さん» 切ないお話を書きなれてないのでそう言って貰えて凄く嬉しいです、ありがとうございます( ;_; )! (2020年5月26日 17時) (レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
林です。嘘です。 - 3番目の切ない感じが好きです! バッドエンドとかが少し好きなので、私の好みでグッときました。 (2020年5月25日 2時) (レス) id: aa4022e14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi(まい) | 作者ホームページ:http://twitter.com/muikrn
作成日時:2020年5月23日 3時