Skt ページ11
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ずっと好きだった人に想いを伝える日。下手したらライブの時以上に緊張しているかもしれない。彼女には悟られないよう平静を装う。
Aの誕生日祝いも兼ねて遊園地へ遊びに来た。夜景が綺麗に見えるとの事で最後に観覧車に乗っている。こんなベタな所で告白なんてするのは恥ずかしく思うし、センラ辺りに知られたらきっと馬鹿にしてけるに違いない。
そんな下らないことを考えていれば、てっぺんはもう直ぐで。目を輝かせているAが可愛らしいと思う。意を決して俺は言葉を発した。
「A、好き、愛しとる。やから、俺と付き合ってくれませんか」
暫しの沈黙、の後にいきなり自身の頬を抓り出すA。「えっ、何しとるん!?」と驚き慌てて聞いてみれば、林檎のように顔を真っ赤に染め上げたAが泣き出しそうな声を振り絞って「ゆ、夢だったら辛いから…」と答える。
頬を抓っていた彼女の手に俺の手を重ねれば、驚いたのか彼女の方が跳ねる。
「夢やないよ、現実」
「答え、聞いてもええ…?」
「私で良ければ、お願いします」
嬉しくて抱き締めようと動けば揺れる観覧車。2人して驚いて変な声が出て、顔を見合わせて笑う。…幸せだ。
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静かになった観覧車でどちらともなく唇を重ね合わせた。あの日の綺麗な夜景を一生忘れることは無いだろう。
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mi(まい)(プロフ) - 林です。嘘です。さん» 切ないお話を書きなれてないのでそう言って貰えて凄く嬉しいです、ありがとうございます( ;_; )! (2020年5月26日 17時) (レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
林です。嘘です。 - 3番目の切ない感じが好きです! バッドエンドとかが少し好きなので、私の好みでグッときました。 (2020年5月25日 2時) (レス) id: aa4022e14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi(まい) | 作者ホームページ:http://twitter.com/muikrn
作成日時:2020年5月23日 3時