検索窓
今日:30 hit、昨日:16 hit、合計:461,909 hit

00話 ページ49

.




「A、時透君が来てるわよー!」

「早く支度しなさいね〜!」



姉二人に急かされ、いそいそと学校へ行く支度をする。

これは何気なく、幸せな日常の1ピース。



「い、行ってきます!」

「行ってらっしゃい、A。」

「気をつけてね。」



玄関の扉を勢いよく開く。その反動でAはよろけてしまった。

しかしその身体が玄関のアスファルトに激突することはなく、ふわりと愛しい人の香りが鼻腔を掠めた。



「Aは相変わらずだね。」

「ご、ごめんね…無一郎君…。」



転びかけたところが余程恥ずかしかったのか、Aは顔を隠すように下を向いた。



「なーに。顔隠さないでよ。」

「む、無一郎君…!」



無一郎はずいっとAの顔に自身の顔を近づける。するとAはぶわりと顔を赤くした。



「は、恥ずかしいから…!
姉さん達にも見られちゃうよ…!」

「僕は別に良いけどなぁ。
とくに胡蝶さん……未来のしのぶお義姉さんになら尚更。」



無一郎がそう告げるとAはますます顔を赤らめ顔をぶんぶんと横に振った。



「ふふ、Aは恥ずかしがり屋だなぁ。
じゃあ学校行こっか。」





どちらからともなく指と指が絡み合う。

気恥しそうに、でも心の底から幸せそうに二人は顔を見合わせて笑った。





「…無一郎君、好き。」

「俺も好きだよ。」




「…これからも、ずっと一緒にいたい、です。」

「ふふっ、当たり前のこと言ってるの。ずっとずっとずぅーっと一緒に決まってるでしょ?
例えどれだけ遠くに離れても、何度生まれ変わっても。」




無一郎は握り合った手にぎゅっと力を篭める。

するとそれに比例するようにAが無一郎の手を握る力も強くなった。








「私ね、今、すっごく幸せ。」


「大丈夫、僕がもっと幸せにしてあげる。」


「じゃあ私も無一郎君のこともっともっと幸せにするからね。」


「ふふ、ありがとう。」








.








.








今日も、明日も、一年後も、十年後も、百年後も。


ずっとずっとずぅーっと先も。


誰よりも、誰よりも。


互いを幸せにし合いながら、この世界を生きていこうね。

零れ話→←後書き



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (793 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
934人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス -  うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。