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45話 ページ45

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「A…っ」

「……A…。」



「……しのぶ、姉様…カナエ、姉様…っ」



二人の姉は、彼岸(こちら)側に来てしまった妹を力強く抱き締める。

目に涙をいっぱいに溜めて、三人はただただ泣きじゃくった。



「早いわ…早すぎるわ…貴方はまだ十四なのに…こんなのあんまりだわ…っ」



カナエは早すぎる妹の死を深く深く悲しんだ。

それはそうだろう。同じ日に最愛の妹が二人も同じ世界(天国)に来てしまったのだから。



「ごめんなさい、ごめんなさい…っでも、でも…姉様達に会えて、私、今すっごく幸せなの…。」

「A…っ」



しのぶはAを抱き締める腕に力を篭めた。

それと比例するように、Aが二人を抱き締める力も強くなる。



「Aには、鬼のいない平和な世界で…アオイとカナヲとなほ達と、幸せに暮らして欲しかったのに…生きていて欲しかったのに…っ」



しのぶの言葉に、Aは顔を上げた。
その瞳には涙をいっぱい溜めていた。



「私だって…姉様達に生きてて欲しかった…。
叶うなら、鬼のいない平和な世界で誰一人欠けることなく、蝶屋敷のみんな(家族みんな)で穏やかに暮らしたかったよ…っ」



その言葉を聞いて、カナエとしのぶはわんわん泣いた。その涙は紛れもなく、妹を愛する姉の涙だった。



「ごめんなさいね…ごめんなさいねぇ…置いて逝っちゃって、本当にごめんなさい…っ」

「ごめんね、ごめんね……。」



「謝らないでよ、姉様…。二人は、誰よりも立派な生き様だったって、私も、アオイ姉様達も思ってるんだよ…。」



Aがそう告げると二人は幸せそうに笑いありがとう、ありがとう…と何度も何度も繰り返した。



「私の方が、ありがとうだよ…私、姉様達の、誇れる妹に、なれてたかな…?」


「…当たり前じゃない…貴方は大切な大切な私達の妹、継国Aでしょう?」



しのぶの言葉にカナエも頷く。



「…っうん!」



__私、私ね。
姉様達の妹になれて、とってもとっても、とーっても幸せなの。








.








「さあ、いってきなさい、A。愛しい人の元に。」

「…うん!」



長い髪を靡かせて、Aは愛しくて愛しくて堪らない人の元へと向かった。

Aを見送る二人の姉の瞳は、大切な妹を想う、優しい優しいものだった。

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ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス -  うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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