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39話 ページ39

「途絶えたのだと思っていたが…絶えてはいなかったか…継国の名は…そうか…。」



継国。Aは、継国A。

知らなかった。てっきり姓は胡蝶とばかり思っていた。



つまりAは、始まりの呼吸の剣士の子孫。





「お前は…私が…継国家に残して来た…子供の…末裔…つまりは…私の子孫か…。」

「っ、そう、よ。私は、私は…っ正真正銘、貴方の子孫、よ、」



震える声で、Aは上弦の壱を睨みつけながらそう言った。



「……なぜお前は…上弦の壱である私が…継国の者だと…知っているんだ…。」



上弦の壱はAを興味ありげに見つめていた。

何でもいい。継国だとかなんてどうでも良い。

だから逃げて、今ならまだ間に合うから。逃げてよ、A…。



「……継国家には、とある書物が伝わっていたのよ。ご先祖様である始まりの呼吸の剣士様が、記された書物が。

…私の血の繋がった家族はもういないから詳細を知ることはできなかった…。でも、そこには、貴方のことが、事細かく記載されていたわ。何としてでも…討たねばならぬ、相手だとっ」



Aはギロリと上弦の壱を睨みつけるとそう口にした。



「許さない……よくも、よくも私の大切な人達をこんな姿に…っ」






“大切な人達”






その中には、僕も含まれているのだろうか。
今くらい、含まれていると自惚れてしまっても良いだろうか。

…最期くらい、自惚れてしまおう。



「ほお…だが…お前に何ができる…始まりの呼吸の剣士の血を引いているからと言って…お前は身体能力が高いわけでもなく…更には軟弱な女…お前に何かできるのか…。」

「っ、」



Aは刀に力を篭めて僕達の方を見た。



ばちり。硝子細工のような淡い輝きを秘める赤い瞳と視線が重なる。



…ああ、このまま時が止まってしまえば良いのに。

好きな子の視線を、今だけで良いから独り占めしたい。



「……ずっと、見てきた。カナエ姉様を、しのぶ姉様を、カナヲ姉様を。むい、ちゃんを。
援護くらいなら、私にだって、できる。馬鹿にっ、しないでっ!」



「……っA……」



ああ、彼女はなんて綺麗なのだろう。

決意の篭った眼差しに酔わされ、気が狂ってしまいそうだ。

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ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス -  うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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