むいちゃんはじめました。【鬼滅の刃】

28話 ページ28

「…もしかして、疲れてるの？
それとも寝不足？
駄目だよ！ちゃんと休まなきゃ！」



Aは無一郎に対して少し強めの口調で話し始める。

初めて見る彼女の姿に無一郎は少しだけ動揺しているらしく、目をぱちくりとさせていた。



「もう、なんでみんな無理ばっかりするのかな………むいちゃんも、しのぶ姉様も。

この前ね、しのぶ姉様が隈ができるくらい寝てなくて、ちゃんと寝てって言ってるのに全然言うこと聞いてくれなくて…。
……無理、して欲しくないのに…。」



＿＿鬼を狩る力もない私なんかが言って良いことなのかはわからないけど…。



Aは悲しそうな表情をして少し俯きがちになりながらそう付け足した。


無一郎はそんなAを見て、なんと表現したら良いのかわからない感覚に苛まれた。



＿＿Aにとっての胡蝶さんはすごく大切な人。その人と同じくらい心配して貰える僕も、Aの大切な人なのかな…。



そんな風に考えると熱い身体が更に熱を帯びる。

嬉しい。こんなに嬉しいことが他にあるだろうか。


心がポカポカする。頭の中がホワホワする。
まるで陽だまりに包まれたかのように居心地が良い。



ああ、幸せだ。

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